「アレレ…」「気にしない、気にしない」…
眼を丸くして、口をポカンと開けて、手を頭にあげて…、いやはや、こんなはずではなかった~ようである。日本敗戦、戦争風刺だろうか。銅版画のタイトルは「アレレ…」。制作したのは、浜田知明さん。戦争を体験、人間のおかしみと哀しみを描く世界的な作家だ。
歩きの流れ、よく行く京近美4階のコレクション展。日本画と洋画に挟まった版画。何度か行って、ざっとしか見ていなかったが、なんか、どこか、気になって、三度目鑑賞のおり、そこだけしっかり見た。テーマは「カリカチュアとしての版画」。人間の外観的特徴を滑稽に、オーバーに、面白く表現している。シャガール、池田満寿男、そして浜田知明らだ。
生涯現役、100歳まで生きた浜田は東京藝大卒。熊本歩兵連隊など戦中派。版画家としてデビューは戦後の40歳から。「初年兵哀歌」など国際的評価が高く、イタリア・ウヒッツイ美術館は浜田作品を所蔵している。京近美も多く所蔵して、今回の展示では、外れた顔を持ち上げて「何とかなるさ」、食べられずヤサ細っても「気にしない、気にしない」、先の見えない階段を上がる「狂った男」などだ。戦後80年、戦争の悲惨さ、おかしく哀しい…。
※ 浜田知明(1917-2018)熊本県出身。
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