六道珍皇寺と小野篁像と井戸
格子戸に穴が開いて、覗いてみれば、見える、見える。本堂の裏庭、穴からずっと右の奥、注連縄で囲った井戸が見える。平安時代初期、文武両道の小野篁が夜になると、閻魔庁へ通った井戸だという。格子戸の上に写真がある。特別公開日ほかは近寄れない伝説の井戸だ。
生死の分かれ道、六道の辻にある六道珍皇寺。五条坂から西北、建仁寺へいく松原通沿い。昔の葬送の地、東山の鳥辺野(とりべの)のふもと。毎年お盆入りの8月7日から10日、あの世から先祖をお迎えする行事で賑わう。打たずに引いて鳴らす迎え鐘がある。聖上人・ 空也さんの六波羅密寺も近く、六丼こと六波羅丼がうまい中華の六波羅亭はもう馴染み。
六道珍皇寺の境内へも、万歩計の歩数稼ぎで時々入る。昼は朝廷に出て、夜は閻魔さんの補佐役で閻魔庁の小野篁。今は若者人気、弓を持つ姿が絵馬になっている。閻魔堂に篁の立像。ここも格子にガラスがはめ込まれ、そこから覗いて下さい~という。冥界入りの井戸といい、この篁像といい、六道珍皇寺は、覗き推奨の珍しいお寺。覗き見た篁像、なんと等身大の1㍍90㌢という。あの世とこの世、昼に夜に行ったり来たり、篁さんは忙しかった。
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