今夜は除夜の鐘
「え~い、ひとつ」「そ~れ」。僧侶たちが声を合わせ撞木の子綱を引いて撞く。1回また1回、重文の大鐘がそのたびに煩悩を飛ばす音を響かす。今年もゆく年くる年の日になった。浄土宗知恩院「除夜の鐘」が今夜10時40分から108回鳴って、新年を迎える。
その試し撞き、予行演習が27日にあった。よく歩き通る山門前に予告。昼間の午後2時からだ。御影堂を超え、階段上って、円山公園側。歩き出て、写真撮るのにもいい。コロナ禍前のいつだったか、本番の除夜の鐘へ行ったことがある。真夜中、2時間近く並んで、やっと鐘楼前に着いて、108回のうち90回目くらいで、音を聴いて寒かった思い出がある。
本番の鐘には3万人という。試し撞きは50分。早めに行ったが、すでに二重三重に人、人、人、2千人ほどか。有り難さは違うにしても、音は音だ。東山の方広寺、奈良の東大寺と並ぶ日本三大梵鐘。直径2・8㍍、高さ3・3㍍、重さ70㌧だ。茶色の僧侶衣、クリクリの頭がまぶしい。子綱を持つ僧侶は16人、仰向けで親綱は1人。どこから撮るのがいいだろう。背伸び、デジカメ持ち上げ、鐘楼回りをあっちへ、こっちへ…、煩悩がつきまとう。
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