「時代遅れ」の花
人知れずというか、さりげなく咲く花がいとしい。♪~…目立たぬように、はしゃがぬように…~♪。河島英五が歌う「時代おくれ」の歌詞のような花もいい。大輪、懸がい…育てられて愛でられる菊でなく、どこかでそっとの菊、野菊もそんな時代遅れの花だろうか。
京都府立植物園の北側、茂みの中だった。針葉樹林が林立、日当たりがよくない所で、野菊だった。一輪、二輪とそう群れずに咲いている。花名を記す植物園の札はない。秋から冬へ、自力で咲き出したようだ。近くに黄色いツワブキ。やはり名札はなく、野菊と同じようにそっとだ。建仁寺境内、姫リンゴもそうだ。誰にも知られず、小さな実を赤くさせている。
西本願寺へ行く道、左女牛井の旧蹟の草むらでランタナも見た。夏から今もだ。自宅帰りの清水焼団地。陶器の老舗・たち吉配送センターの植垣。よく見る南天と、そうは見ないザクロの赤い実。難を展じるナンテン、種が多く子宝のザクロ。どちらも縁起よしと、勝手に実っている。枝先に紫の粒々は、いま大河ドラマ中のムラサキシキブだ。なぜか、ザクロと一緒に人知れずだ。コンクリートの割れ目からビワの幼木。どれも、さりげなくが、いい。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 植物園、花の色いろいろ(2025.04.21)
- あのプーさん、あのスニーカー(2025.04.20)
コメント
樹木や草花に包まれた生活から、終の棲家をマンショにして縁が切れた。せん定、肥料やり、散水など結構手を焼いた。
移住前の庭から持ち込んだミニバラ、カラーの鉢植え、イチョウ、モミジの盆栽がベランダに。室内に緑の大葉がきれいなウンベラータが、かつて世話した庭の思い出をつないでくれている。
「時代遅れ」の花のほとんどが我が庭でも見ることができたように思う。
投稿: s.hidaka | 2024年11月17日 (日) 17時25分
日々の歩きの中で健脚さんの植物、とりわけ草花へ向ける眼差しに慈しみを感じます。コンクリートの割れ目から伸びるビワの幼木。来年、再来年は…。気になりますね。文中、さりげなく「時代遅れ」が出たりして。その方面にも造詣が…。東京時代、健脚さんのカラオケ、どうしても思い出せないんですが。
投稿: 道-中 | 2024年11月17日 (日) 08時11分