真っ黒な画、それは?
絵が黒だ。ブラックだ。真っ暗だ。画面の端から端まで、黒のほかに色はない。絵の大きさは違っても、一面真っ暗だ。日本画だという。抽象でなく具象という。写実画だという。東京の隅田川、京都の宇治川、滋賀の琵琶湖など、真っ暗になったそれぞれの水面だそうだ。
東京、パリ、大阪、そして京都にも開廊して、3年経ったろうか。いい絵を収集と定評あるギャルリーためなが。歩きコース、東山の七条川端上ル、鴨川のそばだ。展示替えのおり、ぶらっと入る。智内兄助、菅原建彦ら名の通った日本画家にまじって、黒一色の梶岡俊幸さんの作品がよく出る。東京生まれ、京都造形芸術大大学院卒、いま44歳、気鋭の日本画家。
作品のタイトルは「夜行」「夜の淵」「ささやき」などで、今は「底」「律」の2作品が展示中だ。川にしても。湖にしても、どうして真っ暗なのか。絵は黒鉛筆と墨を何度も、何度も塗り重ねてという。始まりは隅田川の夜。花鳥風月画で悶々の日々、通りがかり、水面の輝きと流れに命の根源を感じたからだそうだ。月明り、風の匂い…暗い水面を見つめて、命の深さを思い、絵にしているという。今、梶岡アトリエは滋賀。琵琶湖夜行が多いと聞いた。
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コメント
今夜は真っ黒な?夜空に輝く中秋の名月。満月は明日だ。
偶然か?知ってか知らずか?78回目のきょうの誕生日を祝ってもらえる気分に。
きのうの「洋洋日記」は「月見肉うどん」だった。
投稿: s.hidaka | 2024年9月17日 (火) 10時14分