光の風景画家、奥村厚一展
心よい、鑑賞というのだろうか。展覧会場を出ても、いま見た絵がまだ浮かび出てくる。どんよりした空、強い風なのだろう。打ち返す波が大きい。海がまじかに見えた。あれはよかった。霧氷のカラマツ、光差し込む山肌、岩に砕け散る波…、どれも、ええ絵やったなあ。
ポスター見た時から、行きたかった展覧会。モネのように光に魅せられた~という日本画家、奥村厚一の回顧展だ。入場料1800円、京都市京セラ美術館で開催。京都市出身、明治生まれ。京都絵画専門学校、いまの市立芸大で、西村五雲に学び、25歳で帝展入選して、戦後は上村松篁らと創画会で活躍している。絵専の前、京都三中というから大先輩でもある。
展覧会もよく行くけど、正直、こんな絵描きさんがいたのか~だった。昭和10年代ころ、緻密な描写から戦後は大胆に。どの絵にも人物は登場しない。海、海、海、山、山、山…。滝、樹木、川もある。四季の景色もある。海外旅行、オランダの空がいい。奥村さんが京都新聞夕刊(1967年4月)に寄せた言葉が出ていた。「風景の魅力は自然。宇宙にうようよしている人間には解決できない不思議さ」だと。風景と光…奥村展の残像がなお去らない。
※ 展覧会は9月8日まで。 ※ 写真は展覧会会場から。
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