柏原宿の「やいと祭」
東洲斎写楽が描いた役者絵、お灸がもろ肌の右肩に据えられている。血行障害か、肩こりか、役者は眼をむきアチチ、アチチ…。これ、中山道は近江の柏原宿、毎夏開催する「やいと祭」の定番ポスター。今年29回目。いま、街道筋に青地のノボリと一緒に目立っている。
「やいと」って、わかるだろうか。漢字で「艾」と書く「もぐさ」は、どうだろう。若い人には、難しいかなあ。その原料が、薬草の蓬(よもぎ)と言えば、どうだろう。近江と美濃の国境、伊吹山ふもとの柏原宿の名物、それが伊吹もぐさ。旅人の必需品の一つで、お土産にもなり、江戸のむかし、「亀屋」と名乗るもぐさ屋さんが、10軒近くあったらしい。
いまも一軒のこり、歌川広重の木曾街道六十九次柏原宿で、描かれている。司馬遼・街道をゆく24巻の近江散歩現場取材。街道を歩いて、7月27日開催のまつりへ、町は準備のさなかだった。大道芸、伊吹高校書道パフォーマンス、お寺で念仏コンサート…毎年1万人ほどの人出という。柏原は、やいと、もぐさ、よもぎ、伊吹山…再認識という。柏原歴史館の食堂では、ここしかない「やいとうどん」。とろろに紅生姜…、出汁はアチチ、アチチ???。
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