大船鉾の龍頭、追悼巡行
祇園祭の後祭、11基巡行の最後、大船鉾が戻って来た。鉾町の一つ、四条新町下ルの会所だ。雨が降っている。雷がゴロゴロして、時おり稲妻がピカッと走る。鉾の舳先に厄払い、大きな龍の頭だ。高2㍍、重さ20㌧、金色に光っている。雨、龍の眼からの涙だろうか。
龍頭を制作した木彫作家、森哲荘さんが今年3月、逝去した。滋賀県米原市醒ヶ井、木彫の里・上丹生で、この道一筋60年余、77歳だった。大船鉾150年ぶり巡行復活、禁門の変で焼失していた龍頭の制作依頼を受け、苦悶の中、2年ががりで作り上げた。中山道歩き、醒ヶ井木彫美術館へぶらり入り、その制作秘話、森さんインタヴューの記事を読んだ。
大丸さんと縁深い伏見区の瀧尾神社拝殿の龍頭がモデルだった。何度も通い、最後には自宅へ運んで、龍とにらっめこ。完成して暫くは脱力状態だったと話している。10分の一、龍頭も飾ってあった。モデルの龍頭も祇園祭中、大丸1階ウインドウで展示。後祭はことし復活10年、大船鉾の龍頭は大金幣と隔年で、巡行4度目。制作した森さんはいない。雨の中の龍頭、下から眺めて、両眼から大粒の涙が流れているように見える。稲妻、また光った。
※ 祇園祭後祭巡行は7月24日あった。
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