無心の書、古谷蒼韻100歳展
その書、見るのか、読むのか、習うのか。近づいて、間近から見る。離れて、全体を眺める。また近づいて、書の深さを感じて、筆さばきを学ぶ。そして書を読む。生涯、「無心の書」を追究した書家、古谷蒼韻さん。生誕100年の記念展、100点の作品が並んだ。
京都文化博物館の一番上、5階が会場。習ったお弟子さん多く、胡蝶蘭がずらり。京都宇治出身、京都師範卒、日展総理大臣賞、芸術院会員、文化功労者…6年前、94歳で没して、生存ならことし100歳。京都新聞美術欄で紹介あり、行った。眼鏡かけ、筆を運ぶ古谷さんの写真が大きい。模索の時代、異色作家誕生、書の美追究、晩年の迫力などの順で展示だ。
論語がある。陶淵明に杜甫だ。万葉集、大伴旅人だ。世阿弥に良寛さん。芭蕉の奥の細道、池の大雅。~鉄鉢の中へも霰~は山頭火だ。文芸評論、小林秀雄の~良い細工はやや鈍い刀を使う~もある。扇面の書は古谷さんが心酔した斎藤茂吉だ。漢字、仮名、調和体…様々な書体…書の流れと余白、墨の濃淡…、無心の書だ。最後は写真コーナー。アトリエ、筆の数々、弟子への教え。「君には君の書がある。頑張れ!」。会場、100歳の古谷さんが甦っていた。
※ 古谷蒼韻(1924-2018)、記念展は23日で終了。
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