円山公園のムクノキ
出歩くと、気になる木というか、お気に入りの木が、何カ所かにある。建仁寺法堂の隣のクスノキ、京博のメタセコイヤ、植物園のケヤキなどがそうだが、もう一本はこれだ。円山公園のムクノキ。名勝・円山公園ではサクラまたサクラだが、このムクノキの立ち姿もいい。
八坂神社の東側、かつて学生デモのゴールだったラジオ塔近くだ。祇園石段下でバスを降り、いつ見ても長蛇の列、米料理で名をあげた八代目儀兵衛店から歩き始めて、公園へ入ってすぐだ。夏なら避暑兼ねて一服出来る広い藤棚の真ん前にムクノキだ。高さはビル5階、25㍍はある。木の名もややこしいが「区民の誇り、ムクノキ」と木札、間違うことはない。
ニレ科の落葉高木で、エノキと似ている。漢字で椋木。由来は諸説、ムクドリがこの実が好きだから、樹齢を重ねると樹皮が剥(むく)れるからとか。秋、木から落ちた黒いレーズンのような小さな実を拾い集めたのを思い出す。それがムクの実だった。木札のある高さ3㍍あたり、樹皮がめくれ、かなりの老樹だ。円山公園誕生は明治22年(1887)、その頃からとして樹齢130年以上。円山公園はサクラばかりでない。そう知ってほしい気になる木だ。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 野菜また野菜、京野菜(2025.04.28)
- 落語と美術の展覧会(2025.04.27)
コメント