学芸員おすすめは「この1点」
これぞ、姿、形の美しい黒栗毛の名馬だ。戦いに出れば、速くて強く、無敗伝説の神馬だという。京都市京セラ美術館冬期コレクション展、菊池契月が描いた屏風絵の馬「紫騮(しりゅう)」である。数多い展示作品の中、学芸員おすすめは「この1点」だという。
コレクション展示室入って、最初の作品だ。手にした出品リストA4の4ページの裏面。森光彦学芸員がこの1点について写真付きで詳しく解説している。特別だ。馬は、源頼朝が所蔵していて、家来の佐々木高綱に与え、戦場で連戦連勝。宇治川の戦いなど、その活躍ぶり「源平盛衰記」にも載っているという。題名の「紫騮」とは、馬の種類、黒栗毛のことだそうだ。
森学芸員おすすめの1点、屏風絵の前に立った。前足を踏ん張り、胸をそらし、顔をあげて前を見ている。黒毛の身体全体がつやつや。立派な体格、見るからに強そう。思わず、見惚れる。竹内栖鳳と並んで、弟子が多く、京都画壇をけん引していた菊池契月、63歳、円熟期の作品という。森学芸員は「馬と目があうと、こちらも思わず背筋が伸びそうな気がする」と、この絵にぞっこんだ。確かに、今にも動き出しそうな名馬、何度みても、上手い!?。
※ 菊池契月(1879-1955)長野から京都へ来て、菊池芳文に弟子入り。栖鳳とともに明治から昭和へ、京都画壇で活躍した。 ※ 冬季コレクション展は2月25日まで。
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