六波羅丼は「ろくどん」
庶民の町中華、六波羅飯店の「六波羅丼」って、どんなんだろう。平家全盛の六波羅、市聖・空也上人が創建の六波羅蜜寺は、この店を曲がってすぐそこ。東に八坂の塔、西に鴨川という松原通りに店はある。よく歩き通っているのに、「六波羅丼」に初めて気づき、入った。
お向かいは幽霊飴、町名は轆轤(ろくろ)町。ひとつ北側の筋は、生死の分かれ道・六道の辻。閻魔像がある六道珍皇寺がある。町の歴史は、平安時代までさかのぼり、盛者必衰のことわりを感じさす。いつ頃からあるのか、そんな町の中華屋さん。ガラッと戸を開けた店内、まだ昭和のよう。テーブルがポツン、ポツン、壁と向き合うカウンター、上にテレビ…。
水持参の女性に「六波羅丼お願い」と注文すると、調理場に向かって「ろくどん一丁」。そうか、六波羅丼は「ろくどん」かと、その響きに期待が高まる。店内、お馴染みさんが多そう。五目そば、焼き飯などメニューに大衆が匂う。おまたせ!と「ろくどん」。酢豚、玉葱、海老、ピーマン、鶏肉がいっぱい…丼めしが見えない。混ぜこぜの味、それが美味しい。850円払って、出口に色紙。ひとりで来店という角野卓造さん「渡る世間は鬼ばかり」。
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