図書館に「井上靖記念室」
湖北の長浜、高月図書館に井上靖記念室がある。氷壁、しろばんば、敦煌などを執筆した文化勲章作家の部屋だ。井上靖は高月・渡岸寺の国宝十一面観音菩薩が登場する長編小説「星と祭」を書き、湖北・観音の里ブームの走りに貢献した。その井上靖に感謝し、記念する部屋という。
昭和63年、竹下登内閣時代の、ふるさと創生1億円事業。当時の高月町がその1億円で、公園をつくり、その中に井上記念室をふくむ図書館を建設した。いま、合併で長浜市立だが、平成5年の開館から30年経つ。観音さま拝観のぶら歩き、おおかた読んだ「星と祭」持参し、その図書館へ行った。記念室は2階、1階カウンターで申し出て、開けてもらい、部屋に入った。
ガラスケースの中、ずらり井上本だ。記念室が開館する前、83歳で没するまでの60年余の作家人生、その著作が20㍍近く並んでいる。背広上下に黒かばん、思い出写真の数々。ペン書き原稿は朝日新聞連載「星と祭」。一年間全333回。長かった最後の原稿の展示だ。北海道生まれ、静岡県育ち、毎日新聞記者など年表も。湖北へ何度も行っての観音さま地図も。座布団、広辞苑、天眼鏡…畳敷き書斎も再現してある。記念室の部屋に一人、しばし「井上ワールド」だった。
※ 「星と祭」は、琵琶湖竹生島付近でボート転覆で亡くした娘を題材にした父親の想いの葛藤を書く。連載は昭和46年5月から1年間。単行本は昭和47年10月。現在。復刊本が出ている。 ※ 井上靖(1907-1991)
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