湖北高月、渡岸寺の国宝十一面観音
秋3連休の始め、ちょっと遠出した。湖北の観音の里・高月へ。JR北陸線で、長浜、虎姫、河毛の次の駅。渡岸寺へ行き、国宝十一面観音を見た。井上靖の長編小説「星と祭」に登場する観音さま。拝観500円、二重扉の厨子が開いて、説明6分のテープが流れた。
新快速米原で、北陸線の敦賀行き乗り換え。駅員さんにホームで「高月行きますね」と聞くと「大阪の高槻でないですね。それなら行きます」と確認回答だった。その、高槻と高月、同音異字で、ややこしい。調べると、「槻」はケヤキの古称で、湖北の高月はケヤキ多く、平安の歌人が月の名所として、何首か詠んだので、「高槻」から「高月」に変わったという。
厨子の観音さま、少し腰を捻り、すらりとして、目が優しそう。井上靖が「まるで宝冠だ」と書いた仏面、ずっしり頭上に乗っている。十一面観音の国宝は全国で7体、その姿の美しさで最高傑作という。浅井・織田の姉川の戦い、村人が観音さまを土に埋めて守った~という。箔ははがれ、黒ずんで、千年の時が流れている。かつて東京国立博物館の展覧会では入場者あふれ、会期延長という人気の観音さまの一つ。美しさ、癒し、祈りー、その魅力が重なりあっている。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 野菜また野菜、京野菜(2025.04.28)
- 落語と美術の展覧会(2025.04.27)
コメント
その腰を折るように捻った、何とも優雅で色香漂う姿に魅せられたのが、つい先日のように蘇ります。
東日本大震災の2011年、BOSSコン東京大会が中止になり5月30、31日の日程で瀬田カントリー
に場所を移して開催。その足で湖北、湖東を5泊の日程でで国宝、重文巡りをしました。
まず訪れたのが渡岸寺。国内7体の国宝十一面観音の中で最も美しく、日本彫刻史上の最高傑作で
祈りの仏にふさわしい慈愛に満ちた姿に身が震える思いがしました。
かつて戦乱の度に村人らが観音様を地中に埋めて守ったという。
国宝の島・竹生島、彦根城、近江八幡の堀川、商人町屋など訪ね、その中日には洋洋さんと大津で
会食しましたね。
投稿: s.hidaka | 2023年10月10日 (火) 07時37分