おばちゃんのたこ焼き人生
ニュースにならなかったニュースだろうか。五山送り火、京の夜空に「大」の字が灯ったとき、おばちゃんのたこ焼き人生が終わった。お店は「たこ茶屋大文字」。鉄板のたこ焼きをひっくり返し、ひっくり返し、おばちゃん一人、その道ひとすじ、なんと40年だった。
通りがかり、お知らせの貼り紙が出て廃業は知っていた。京都市役所から北へ、河原町通りの西側を歩いて5分ほど、竹屋町通りを上がったところ。貼り紙には、家主さんが建物の老朽化で解体するので立ち退いて欲しいと強く言い渡され、店の屋号に合わせ、大文字の日に店を閉じます~と出ていた。その大文字が灯る日の夕、これもニュースと店へ行った。
おばちゃん、寂しくはないか~と見たが、達観したように、最後の日のたこ焼きをひっくり返していた。昭和17年生まれ、81歳。借家の2階で寝起き、1階で営業、まる55年だという。最初はすし屋、そのあとたこ焼き40年。「これだけ長く営業出来たのは、みなさまのおかげです」とおばちゃん。今夜、大が灯って、店を閉じ、8月いっぱい立ち退くと言う。8個360円テークアウト。京都御苑ベンチ、頑張ったおばちゃんのたこ焼き人生を思って、ほおばった。
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コメント
たこ焼き人生40年、本当にご苦労様でした。
人目に触れる機会のない、街に転がったほのぼのニュース。
街ダネ~いいですね。心を揺さぶる、特ダネでした。
閉店を知らせる張り紙。立ち退き、解体要求で閉めざるを得ない
くやしさの一端が垣間見えます。
その終わりの日も、五山送り火の16日。
「たこ茶屋大文字」
さもありなん。おばあちゃん、お元気で~~
投稿: s.hidaka | 2023年8月19日 (土) 07時58分