岡本神草と星野画廊
その死38歳、夭折の画家の才か。この道50年、画廊主の目利きか。いやいや、世に出たのは、りょうりょう相まってだ。画家は岡本神草さん、画廊主は星野桂三さん。いま、京文博で開催中の展覧会ポスター「拳の舞妓」が星野さん発掘のひとつ、岡本作品である。
ポスター絵は舞妓さんのお座敷遊び。両手を広げ、ヨヨイノヨイ!と狐を象っていて、どこか妖しい。この作品について、神草は「満飾せる女性の美、神秘さ、宗教的な感じ、そんなものを表現したいと思って」と、雑記している。京文博の展覧会は、星野画廊のコレクションから「少女たち」と題して開催しており、神草の「拳の舞妓」が、右代表になっている。
文博の展覧会へ行き、星野画廊へも行った。文博会場、星野さんが所蔵する少女らがこれでもか、これでもか120点も。作者不詳も多い。星野目利き、作品本位だからだろう。神草作品発掘の始まりは「拳を打てる三人の舞妓の習作」。絵の写真とともに経過が出ている。星野さん、この絵と古美術交換会で出あって、神草にはまり込んだという。平安神宮大鳥居が見える星野画廊、今は「京都洋画の黎明期」展。そう名前のない画家たちの絵が並んでいた。
※ 岡本神草(1894-1933)神戸生まれ、京都絵画専門学校卒。国画創作協会などで活躍。菊池契月に師事。 ※ 星野画廊。星野桂三・万美子夫妻により、1971年に画商活動開始。「画人再発見」をライフワークとし、明治・大正・昭和前期の画家を発掘する。 ※ 文博「少女たち」展は9月10日まで。
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