ミロを見ろ!
じっと絵を見る。これ、ナニと思う。もう一度、見る。ナンなんだろう。火星人かな。ロケットかな。隣の絵、その隣も見る。細胞かな。虫かな。顕微鏡かな。画面の中、線も色も、伸びやかだ。絵が遊んでいる。作者はスペインの画家、ジョアン・ミロ。もっとよくミロ?。
京近美が所蔵する西洋美術作品の紹介コーナー。開館60周年記念の企画展、陶芸の「走泥社再考」に関連を持たせ、所蔵のミロの版画と彫刻を展示している。向かいの京都市美コレクション展へ行って梯子鑑賞である。ミロ作品、具象と抽象のあいだを行く独自のシュールレアリスム。自由な線描、鮮やかな色彩、独自な構成…、温かさとユーモアが絵にあるという。
だから、ミロを見ろ!。絵も、ついでに駄洒落も、いいよ。展示は、フランスの詩人が刊行したテキストに挿画した木版画の作品という。テキストのタイトルは「あらゆる試練に耐えて」。1930年代、大恐慌あとの世情などを詠んでいるが、ミロの挿画は我が道を行くがごとく明るい。作品解説の中、近美の初代館長・今泉篤男さん、走泥社の八木一夫さんがミロと面識ありと。またミロを見た。でんでん虫がいる。ラッパが鳴っている。愉快な絵だ。何度でもミロ?。
※ ジョアン・ミロ(1893-1935)スペイン・バルセロナ出身。絵画だけでなく、彫刻、陶芸も。日本のミロ展開催などで来日。関西では竜安寺、信楽へもという。 ※ ミロ挿画テキストの詩はポール・エリュアール。展示の彫刻は「モニュメントのためのプロジェクト」。
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