額田王と大海人皇子
右手に薬草のムラサキ籠を持つ姫、それが額田王だ。そのむこう狩猟中、白馬から左手を振る貴人、この人が大海人皇子、のちの天武天皇だ。二人が万葉集で、恋の歌を詠みあった場面が陶板レリーフなっている。まるで映画の総天然色、ワイドスコープのように見えた。
ここは悠久の里、万葉の森、船岡山のふもと。近江八幡から近江鉄道で中山道の武佐、平田の次、三つ目の市辺(いちのべ)で降りて、歩いて5分、阿賀神社の境内を抜けて~である。額田王は「あかねさす 紫野行き標野行き 野守は見ずや 君が手を振る」と歌い、大海人皇子は「紫草の にほへる妹を 憎くあらば 人妻ゆえに われ恋ひめやも」と返す。
天智天皇7年(668)5月5日、大津宮から遠征して、天皇一行がはるばる蒲生野へ来て、狩猟と薬草摘み。その蒲生野がどこか、諸説あって、ここが有力地の一つと知って、現場取材に来て、このレリーフを見た。原画は日本画の大家、大野俊明さん。平成3年、いまは東近江市になった八日市市が作成している。花咲き乱れる広い草原、花を摘む女性2人、馬上で鹿を追う男性2人…蒲生野の広大さを感じさす。古代のロマン、こうだい?と眺めた。
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