石川九楊「筆蝕のアンソロジー」展
これが書?と思わす異次元で革新的でアートな書だ。現代美術の墨絵のようなの、音符が並ぶ五線譜のようなの、漫画ぽいの…。京都高島屋美術画廊、書家・石川九楊さんの個展「筆蝕のアンソロジー」。へえっ、ホントにこれが書、しょうかあ?~とつい、洒落て見入った。
石川九楊さん、もう10何年も前か、京都新聞朝刊1面で一年間「一日一書」の連載、馴染みがある。新聞社OBで連載担当だったNさんから紹介あって行った。石川さんいま、77歳。福井県生まれ、京大法学部で書道部、書の研究所を立ち上げ、その独創性からサントリー学芸賞など受賞している。会場、20年来の様々な書タイプの石川作品が並んでいる。
チラシは、石川さんが鉢巻き締め、一筆入魂の写真。「書は、筆と紙のあいだの接触、摩擦、離脱の劇だ」と石川さんは言う。細密、寡作な書家、同時に古典など評論、詩作もする。何が書いてあるのか、タイトルを見る。「月の雨」だという。なるほど~とうなづかす。「白猫友猫」「一杯飲んで」など、詩作の書き出しなどをタイトルにしている。マスクの半顔社会から「全顔社会の恢復願って~」もある。一書一書、思いが伝わり、しょうか~と感じさす。
※ 石川九楊、1944年、福井県生まれ。現在、東京在住。 ※ 高島屋展は12日で終わり、このあと全国巡回する。
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