上杉本、国宝「洛中洛外図屛風」
目を細めて、よ~く見ると~である。白峰神宮、飛鳥井邸でお公家さんが蹴鞠をしている。京都御苑内、近衛邸に桜が咲き、一番咲きの糸桜だという。薪を頭に乗せて歩くのは大原女、犬に追われて逃げるのは猿飼い…、目を細めるほどに、そこに描かれた絵が見えてくる。
上杉本、国宝の洛中洛外図。天正2年(1574)、織田信長が上杉謙信に贈った狩野永徳が描いた六曲一双の屏風である。その登場人物、右隻と左隻合わせて、だれが数えたのか、2485人だという。まだ永徳が若い室町時代初期の作品。後に様々な洛中洛外図が登場するが、ち密な描写力はこれに勝るものはないという。右隻は東地区、左隻は西地区を描く。
この屏風絵、鴨川二条大橋西詰の橋下に写真がある。京都府が民間支援得て、ホームレス対策兼ねて、設置して10年以上という。京都市の元菊浜小跡、ひと・まち交流館地階には高精度デジタル複製のパネル。出歩きの一日、この2カ所を渡り巡って、思い切り近づいて、目を細めた。歩く巫女、祇園祭の螳螂山、シジミ取り親子、魚を釣る人、鮎の漁…、金の雲に群青色の川…、永徳さん、どれだけ年月かけて歩き回ってスケッチしたのか。まさに国宝!、ギネスびっくり?。
※ 国宝指定は平成7年(1955)。山形県の上杉博物館が所蔵している。 ※ ひと・まち交流館にはデジタル展示ほか、洛中洛外図の書籍も揃えている。
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コメント
国宝「洛中洛外図屏風上杉本」=在京中の20年前、山形・上杉博物館で見ました。懐かしく思います。もう1つの国宝・舟木本(長浜市の舟木家に伝わるー東京国立博物館所蔵)は未だ拝めず。両国宝、昨秋NHK BS で紹介していました。
その洛中洛外図は俵屋宗達などの重文5点のほか170点余に上るそうですね。しかも、今でも毎年のように新出本が~
1200年の古都京都がなせる技でしょうね。わが町の屏風図なんて現存しません。
投稿: s.hidaka | 2023年2月 2日 (木) 08時46分