チュン、雀画家の個展
何を思っているのか、額の縁から尾っぽのはみ出た雀が一羽いる。どこへ行くのか、絵の真ん中、羽根を揃えて2羽で仲良く飛んでいるのもいる。どの雀も「T-H―U-N」という名前がついている。一羽だけなら「チュン」と鳴き、二羽ならば「チュンチュン」と鳴く。
雀の画家、チュンの洋画家、一居孝明さん(64)の個展を見に行った。京都市寺町三条上ルの画廊「ヒルゲート」で2年に一度開催、今年11月で5度目である。一居さん、長浜市生まれ、戦国武将・石田三成生誕地。今も住まいとアトリエがある。個展案内のチラシにあるQRコードをかざすと、広いアトリエが出てきて、大きなキャンパスに作品が見える。
京都芸術短大洋画科卒、学長賞受賞して、画家の道へ入り、安井賞の賞候補、小磯良平大賞展佳作など受賞数々、今は新制作会員。深みのある、染みこむような独特の金色で無機質な素材を描き、絵のどこかに雀を入れる。豊かさの中の危うさ、多角的、映像的な絵を意識している。なぜ雀か、画家自身の化身か。個展作品37点、展示会場、雀、雀と見て回った。オリーブの小豆島、播州港町の室津、羽衣伝説の余呉湖…どの絵にもちゃんとチュンといた。
※ ヒルゲート一居個展は11月27日で終了。
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