壁面アイビーアート
秋色になったツタ(蔦)が壁にへばりついて、野外アートしている。赤と緑が混じりあって抽象画の大作ふう。ツタに勢いがある。これぞ自然の力。泉鏡花作の婦女系図、お蔦と主税の湯島天神か。ペギー葉山の学生時代、ツタの絡まる教会か。だれに伝えるツタだろう。
京都市山科区、地下鉄東西線東野駅の駅舎壁面である。駅舎ビルは3階建て、地下鉄駅なのに中がどうなっているか、わからないが、壁面は広い。歩き帰りに乗るバス、後部座席に座って、車窓からいいなあ~と見ていた。日差しがあるとき、くもっているとき、見え方が変わる。秋深まって、ツタ色の赤さが増す。出歩きの行きがけ、現場へ写真撮りに行った。
ツタは、ブドウ科ツタ属のツル性の落葉で、まあ草の一種。英語ではアイビー。壁面に伸びる甲子園のツタ、岡山の倉敷アイビースクエアなど思い出す。ツルとツタ、言い方か、似ているが、漢字で「蔓」のツルは、長く伸びる茎。朝顔しかり、ブーゲンビリアしかり。ツタもツルになって伸びる。現場で見上げた壁面、ツタツタして、ツルツルして、混然として、そこに秋色を取り込んでいる。日々変化する壁面アイビーアート。この良さ、写真で伝わったかな。
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