群青色のギリシャ30年
空も海も青く、月夜に照らされた白壁の建て物との対比がきわ立つ。どれもこれも群青色の作品である。「青の墨絵」だという。パルテノン神殿、円形劇場、ロードス島、キプロス島、リンドス…、群青色でギリシャを描く大作、これでもか、これでもか~と並んでいた。
日本画家村居正之さん、75歳。阪急梅田本店9階で画業55年、日本芸術院会員就任記念の作品展、見に行った。村居さん、京都西陣生まれ、日吉丘高卒。画家を志し、野を行く山頭火を描いた池田遥邨さんの画塾・青塔社へ入る。師の「初めての山を登れ」で、研さん続け、日展で特選を重ね、今や審査員、大阪芸術大学教授、ブルーの村居である。
冬、決まって日展京都展は見に行く。村居さん作品は、いつも、ギリシャの群青色作品である。魅せられたギリシャ、取材行は6度という。日展でのギリシャ作品は「いつも今回で最後」と思い続けて30年という。芸術院会員になった作品は、パルテノン神殿を正面から描いた月照。そのこだわりが、村居さんを青く照らしたようだ。ギリシャ風にした会場、縦2㍍、横4㍍の大作が年代ごと50点並ぶ。青色を出す岩絵の具も。ギリシャの次は何か。師の教え。初めての山が待っている。
※ 作品展は8月30日で終わった。
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