画業60年「遠き日」を描く
農作業帰りか、おばあちゃんが、頭を後ろに垂れた子どもをおんぶしている。お祭り帰りか、おじいちゃんが、遊び疲れでた子どもを肩車している。子どもふたり、安心しきって眠っている。いつ頃、どこの村か。時代をタイムスリップした絵が優しい。微笑ましい。
滋賀県の湖西出身、岡島春美さんの作品である。滋賀大で絵を学び、小中学校の先生をして、画業集大成60年の展覧会。いま、お住まいの近く草津市クレアホールであり、知人の案内で見に行った。岡島さん、今年84歳。描き続けてきたテーマは、ずっと田舎の老人と子ども。光風会は会員、日展は会友。毎年の二つの展覧会、20年、30年と入選が続く。
JR南草津駅から国道1号渡って7、8分。かつて県の施設、いま草津市が管理する。受付に女性3人。岡島さんモデルの、むかしの子どもさん、お孫さん。展覧会初日、ショートカット、ミニスカートの岡島さんがいた。若い。作品は20点。遠き日、里の秋、ひとやすみ…。岡島さんはテーマを話す。「終戦後、食べるものも~の時代、地域ひとつで子どもを守ってきた。その温かさを絵に…」と。デンデン太鼓、きつねお面、おんぶ紐…、温もりが伝わってくる。
※ 岡島晴美、1938年、高島市新旭町生まれ。日展洋画入選33回。不治、膠原病を描きに集中することで克服してきた。作品展は8日終了。サブテーマは「病と道づれ画業60年」だった。
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