応挙の虎はネコトラ
展覧会のタイトルが面白い。寅年記念「トラ時々ネコ~干支セトラ」という。京都嵐山の福田美術館で開催中だ。江戸から昭和初期のトラの絵50点余りを並べる。見どころの一つは、あの円山応挙が本物を見ずに描いた「虎図」だという。どんなトラなのか、見に行った。
どう見どころなのか。眼がネコの眼、前脚に関節がない。首の後ろが猫のように盛り上がっているという。でも、しかし…、縞の体毛と尾は虎そのもの。江戸時代に日本に虎は居ず、応挙は中国から輸入の毛皮などを模写し、精密に描いている。応挙の虎絵がチケット。会場2階の第1章は「トラ、ネコ、ネコトラ」。応挙の絵もネコトラかな~と入った。
曽我蕭白も長沢芦雪も岸竹堂も、ネコトラになってる。江戸の日本画家は、まだ見ぬ想像のトラ、瞳孔の細いネコ眼で描いてる。応挙トラは、まっすぐポーズをとる。蕭白トラはニンマリ笑う。芦雪トラは尾っぽをナメナメしている。どれも可愛いネコトラ。展示は企画タイトルどおり、ネコ絵も時々見せる。本物のトラは明治の時代、大橋翆石が実物を見て描いた虎。眼が鋭く、威厳がある。これぞ、トラトラタイガース!。
※ 展覧会は4月10日まで。応挙の虎図は3月7日の前期で展示終了。
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