夫婦鳩と雀の砂遊び
あれは、暑い昼下がりの出来事だった。よく知られていてはいても、そうは見られない夫婦鳩のラブシーンと雀の砂浴び遊び。夫婦鳩は、武者小路実篤の「仲良きことは美しき哉」の如くであり、雀は砂風呂に入る如くである。偶然、一部始終を目撃、デジカメに撮った。
出歩いて、文庫本を読むのに風の通る木陰のベンチかいい。少々暑くても、入道雲あり、樹木の緑あり、自然と同居できる。京都の岡崎公園。平安神宮追手門と大鳥居の真ん中、ロームシアター京都への芝地、枝垂れ桜も植わって広い。石のベンチがあって、噴水式の水飲み場もある。鳩夫婦と雀の目撃は、ベンチの本読みにひと息、ぼおっとしているときだった。
すぐ隣の水飲み場、夫婦鳩らしい2羽が来た。噴水のところで寄り添い、嘴を重なり合わせている。首回りが小さいメスだろうか、目を閉じてうっとりしている。距離1㍍、目の前である。目を反らしたら雀。2㍍ほど前、芝地でない砂地に埋ずくまり、羽を何回となく、バタバタさせている。羽の寄生虫を振り払う習性だが、遊んでいるように見える。夫婦鳩は場所を変えて、また…である。もう一度、実篤。「君は君、我は我なり、されど仲良き」。
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