南禅寺金地院、小堀遠州の茶室と庭
小堀遠州の生涯を綴った葉室麟著の歴史小説「弧篷(こほう)のひと」を読んで、南禅寺の金地院へ行った。遠州は近江生まれで茶人、作庭家、大名。家康の政治外交顧問、以心崇伝が再興の金地院茶室「八窓席」と方丈庭園「鶴亀の庭」を設計、そのくだりが本に出ていた。
京都市地下鉄蹴上駅で降り、「ねじりまんぽ」と名が付く琵琶湖疎水・インクライン下のトンネルをくぐって、2,3分である。これまでから何度となく前は通っている。一度拝観した気がするが、記憶にもう遠い。本を読んで、久々に現場学習のつもりで行ったが、コロナは解除なのにまだ「暫く拝観中止」の貼り紙が出ていた。仕方なく案内板を立ち読みした。
遠州作庭の庭は特別名勝、遠州設計の茶室は重文である。本の記述思い出した。「八窓席」の茶室は二方向に窓6つ、あと二つは亭主と客の心の窓と書かれていた。方丈前の庭は、白砂が広がる枯山水。躑躅の小山があって、右の大きな石組みが鶴、左側の石組と柏槙の木が亀。手前の平たい石は家康祀る境内の東照宮を遥拝する石と出ていた。金地院北隣の研修道場、入り口に「忍の一字」の書。何事も成し遂げる元なり~と。コロナ明け拝観までは「忍」。
※ 小堀遠州、本名は小堀 政一。近江の坂田郡生まれ。安土桃山時代から江戸時代前期にかけて活躍。備中松山城主も。茶は千利休、古田織部の流れ。遠江守、遠州流の祖。大徳寺に孤篷庵がある。作庭は二条城など数多い。
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