年内いっぱい、この道50年の豆腐屋さん
知る人ぞ知る、こだわりの豆腐屋さんが年内いっぱいで店を閉じる。この道50年の「醍醐 水一豆腐」。滋賀県産大豆と伊豆大島ニガリにこだわり、海水と無添加、消泡剤無使用にこだわり、昔ながらに作ってきた。ふわっとした、あの絹ごし、カウントダウンに入った。
ビワの木に咲く白い花を探しに行った日。京都市伏見区日野、親鸞さん誕生院から地下鉄石田駅近く歩いて「醍醐 水一豆腐」の看板、4年ぶりに入った。屋号の「水一」は、お名前の水口景一朗から。~久々、来ました~と、声をかけると、ご主人は店内の黒板を寂しそうに指さした。白墨で「今月で閉店致します。ありがとうございました」と。
どうして?と、聞くと、「もう年でしてねえ。この仕事、息子に継げとも、よう言いませんしねえ」と。白いバンダナ、長ぐつ…、すこし腰が曲がったような、今年で70歳。入ったのは午後4時ごろ。水槽の中は絹ごし豆腐があと二つ。前と同じ一丁320円。柔らかいので、端っこ欠けている。手作り商品に対するこだわりか。「これでよければ、200円でいいです」と。そっと水槽へ手を入れ、慈しむようにすくった。最後の1丁、また客が来た。
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