平安京の始まり、大極殿はここ!
石囲いの中、「大極殿跡」の石柱が1本立っている。高さで3㍍ほどはあろうか。ブランコのある公園、物干し台が見える民家が建つ。近所の皆さんが通り抜ける道筋。ここは、訪れる人がなくても平安京の中心、あの大極殿があった場所である。
羅生門から真っすぐ北へ、かつて朱雀大路と言われた千本通り。北から、北大路の千北、今出川の千今、中立売の千中、丸太町の千丸…、大極殿跡の碑が寂しそうに立つのは、千丸から少し北西、内野公園である。水上勉が書いた五番町夕霧楼が近い。すっぽん料理の老舗「大市」もある。小説家浅田次郎も「千中」に思い出を持ち、庶民の町を書いている。
代々の天皇が即位し、住まいし、正月儀式、外交謁見があった大極殿。応天門の中、長い回廊につながっていた。桓武天皇が遷都した翌年延歴14年(795)に出来た。安元3年(1177)の火事で、天皇執務は今の京都御所・紫宸殿へ移って、その姿を消した。平安建都1100年記念で、岡崎の平安神宮が誕生して観光客で賑わうが、本当はこの公園が本家本元。千丸一帯は平安京始まりの地。遺構発掘で見つかった櫛、往時を忍びシクシク?か。
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