チベットから日本へ20年
チベットのバイマー・ヤンジンさん、両手を合わせ、深く、長く、頭を下げて、壇上に上がった。大粒の色玉の胸飾り、彩り華やかな民族衣装…、日本人と結婚して在日20年の声楽家女性である。琵琶湖ホテルであった時事通信主催の内外情報調査会9月例会で講演した。
話のとっかかり、日本人に道をよく聞かれるという。なるほど、お顔は日本人そっくり。日本語、中継ぎなしで一気呵成に話す、話す…。黒板、富士山は3776㍍、チベットは4200㍍と書く。年に一度、一緒に帰国する旦那さんは、顔青ざめて、三日間寝込む。高山病、なんでかかるのか、わからない~と笑わす。四川成都―と漢字で書く。国立音大の卒業だ。
演題はチベットと日本、異文化を超えて。遊牧民で11人兄妹の9番目、貧苦乗り越え、狭き門の音大に合格。いじめに会いながら卒業、吹田在住の斉藤秀樹さんと結婚。何もわからない日本へ来て20年、今が最高に幸せ、日本は天国です…と、身振り手振り、時に声詰まらせ、テンポよく話した。チベットと日本の差、教育にありーと、今、ふるさとに小中学校建設に献身中と話し、最後にアカペラで声高らかに歌い、手を合わせて、壇上を下りた。
※ バイマーヤンジンさんの著書「チベットの夢 日本のこころ」~ふるさとの村に学校をつくった私の物語~は時事通信から発売。1400円。
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