大津絵・鬼の念仏像と対面
見ようによっては、怒っているみたいだし、泣いているみたいだし…。怖いような、可愛いような…。詩人野口雨情が、味は日本一と言った「鰻のかねよ」の庭に立つ大津絵の鬼の念仏像である。あの日、特上鰻まむしを待つ間、座敷から庭先へ降り、向かい合った。
お店の三つ折りパンフによると、この鬼さんは信楽焼で、100年前の制作ーと写真入りで書かれている。それだけの記述しかないけど、かねよさんがある逢坂山は京都―大津の分岐点で、その昔は関所があって、このあたりで、京帰りの旅人がお土産に大津絵を買って帰ったという。大津絵は仏画あり、風刺画ありで、鬼さんは風刺画で様々に登場する。
絵柄は、鬼三味線、鬼と柊、鬼と行水などあるけど、右代表と言えば、姿形は念仏を唱える僧であっても、心は鬼やでえ、気をつけや~と風刺する鬼の寒念仏や。諺の、鬼の空念仏と同じ意味かな。大津絵は絵やけど、かねよさんの庭に珍しく像や。石の上に裸足、高さ1.5㍍くらいか。右手に数珠、首から太鼓を下げ、左手にバチを持つ。頭は角二本、顔は髭だらけで、眼はくぼんでいる。さあ、睨めっこやでえ~。うんとこ、ドッコイショ!。
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