建仁寺法堂の双龍図
法堂と書いて、禅寺では<はっとう>と読む。僧侶が説法する場所である。京都五山の一つ、東山の建仁寺の法堂大天井に2匹の龍がいる。日本画家、故小泉淳作氏が描いた畳にして108枚分もの大きな<双龍図>である。法堂に足を一歩踏み入れ、はっとする?。
「法堂ではっと…」と洒落たくて取り上げたのではと、思われそうだが、いやいや、実際の所、迫力満点の龍だ。小泉氏は北海道中札内村にある廃校になった小学校体育館で、2年の歳月をかけて制作した。完成は2001年、建仁寺創建から800年だ。これまで絵のなかった法堂の大天井に初めて龍が踊り出た。口を開いた龍と閉じた龍-阿吽の龍だ。
小泉画伯は俳優小泉博氏お兄さんだ。鎌倉在住で、地元の建長寺で雲龍図を描いている。この龍を見た建仁寺の小堀泰巌管長が~私の所には暴れ出すような龍を~とお願いしたという。北海道の廃校は、小泉さんの支援者である銘菓・六花亭社長が世話したそうだ。えらい詳しい?、それって日経の私の履歴書に載っていた。建仁寺拝観は500円。方丈で風神雷神屏風を見、スリッパに履き替え、道を渡り、法堂入りして、はっとして龍なのだ?。
※ 小泉氏は1924年生まれ、東京芸大卒。会派に属さず、独自の画風を貫く。私の履歴書は2011年掲載。今年1月9日、肺炎で死去。88歳だった。
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