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2010年5月15日 (土)

運転手さんの乗車御礼

001

004 京阪バスの運転手さんが<ありっ、ありっ…>と言う。あれっと?聞いていたら続いて<…ました、…ました>とつぶやくように言う。乗客が降りるごと、口あてマイクで、それもリズム良く、である。その言い方、<ありがとうございました>を簡略していたのだ。

 毎朝、通勤で乗る京阪バスだ。赤白の車体、ワンマン運転である。始発の大宅から大石街道を通り、国道1号から山科駅へ行く29番だ。大石街道?あの内蔵助が山科に隠棲、討ち入りカモフラージュで一力茶屋へ通った伝説の道である。自宅近くから終着の山科駅まで15分余り乗る。同じ系統でも運転手は変わり、乗車お礼の言いようも個人差がある。

 雨の降った日、満員の乗客だ。着いた山科駅、久々にあの運転手さんだ。<ありっ、ありっ…>だ。後ろから耳を傾け、降りた。料金箱にお金が入る。パスカードが通る。そのたびにお客さん1人1人に<ありっ、ありっ>と言っている。<…ました、…ました>も間断なく続く。丁寧に言ってもお礼、中抜きでも、わかれば、お礼はお礼だ。降りる時、運転手をそっと見た。中年かな、眼鏡をかけ肥っている。<運転、ありっ、…ました!>

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