運転手さんの乗車御礼
京阪バスの運転手さんが<ありっ、ありっ…>と言う。あれっと?聞いていたら続いて<…ました、…ました>とつぶやくように言う。乗客が降りるごと、口あてマイクで、それもリズム良く、である。その言い方、<ありがとうございました>を簡略していたのだ。
雨の降った日、満員の乗客だ。着いた山科駅、久々にあの運転手さんだ。<ありっ、ありっ…>だ。後ろから耳を傾け、降りた。料金箱にお金が入る。パスカードが通る。そのたびにお客さん1人1人に<ありっ、ありっ>と言っている。<…ました、…ました>も間断なく続く。丁寧に言ってもお礼、中抜きでも、わかれば、お礼はお礼だ。降りる時、運転手をそっと見た。中年かな、眼鏡をかけ肥っている。<運転、ありっ、…ました!>
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