« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »

2010年5月

2010年5月31日 (月)

ポスター競演、浅井三姉妹と大津京

005

006

 いま、JR大津駅構内に貼り出されている二種類のポスターのことを書く。出るべきして出たポスターと、おやまあ!と出たポスターだ。最初に出たのは、華麗なる浅井三姉妹である。これは来年のNHK大河ドラマへ向けた博覧会ポスターで、出るべくして…だ。

 意表を突いて出て来たのは、<建都ほぼ1400年大津。>だ。京都1200年、奈良1300年より古く、大津はちょっと大人です-という。ポイントは<ほぼ>の表示だ。平安京は~鳴くよ鴬~と覚えた794年、平城京は今年1300年で~ぴったしカンカン~の710年に対して…だ。大津京667年で、建都1400年まで500年以上である。

こんなに遥か先を<ほぼ>にして、観光ポスターを出す大胆さ。これ、マスコミ受けして、朝日は全国版掲載だ。たかがポスター、されどポスターである。浅井は<あざい>と濁って正解の浅井三姉妹ポスターは、大河の主役・江<ごう>を中心に構内の定位置掲示だ。これに対し、駅ビル2階に事務所があるびわ湖大津観光協会の<ほぼポスター>は、改札出口に10枚もズラズラ…だ。大河も京都も奈良も、これには<ほぼ>参った?かな。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月30日 (日)

京都市美は円と方で所蔵品展

047

053

どこがどう、円と方なのか-、京都市美術館へ行った。毎回、ちょっと奇をてらったテーマで所蔵品を並べるコレクション展である。展示室1階の入り口、縦長の青い看板中央に○型と□型に繰り抜いて、<円と方>と表示してある。入場料500円の、円で入った。?

円と方という対比的な形が、近現代の日本美術で、どのような意味をもってきたかを探るという。第1室は近藤悠三の壷、竹内栖鳳の日本画など、立体と平面作品の○□対比で展示してある。展示意図は<丸い場所、四角い場所>だという。何でかな?、と作品を見る。目を丸く、皿のように…鑑賞する。これこれ、この鑑賞姿勢もまた、円と方なのだ。

六代、七代清水六兵衛、楠部彌弌、八木一夫の陶芸作品、福田平八郎、芝田米三、菊池渓月の日本画に洋画が<丸いかたち、四角いかたち>など展示の部屋ごと並ぶ。展覧会の案内看板=写真=の日本画家・梶原緋佐子の作品は、第4室にあった。題は静閑、昭和13年の制作である。展示室テーマは<円と孤-動きと勢い>だ。四角い絵の具箱、右手の絵筆は今、菖蒲に丸く一筆入るところ…だ。絵は□と○だ。延々とホウッと見とれた。?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月29日 (土)

高級魚キンキ、焼いた値段

016

014

何にしようかナと、考えた時だ。店側から<値段がちょっと出ますが、キンキの塩焼きどうですか>と声がかかった。大津市菱屋町商店街の魚料理「摩季詩」の昼食だ。店に入るおり、土間のトロ箱にいたキンキだ。赤い魚で、値段もどう出るかだが、目も出ていた。?

 そう言われては、ひけない。多少、出方?が気になったが、首を縦に振った。トロ箱のキンキがまな板に乗った。背の尾っぽ側から包丁が入り、お腹が開いた。ガスレンジに入る前、写真撮影をお願いした。腹は黒くはなく、真っ白だ。いい魚なのようだ。焼き上がり待ち、キンキ談義になった。北海道沖の深海魚で、白身で柔らかく、高級魚だという。

 魚の中で、脂ののりでは、一番だそうだ。焼いて良し、煮て良し…という。京都の木屋町二条東入ル、魚料理の「よこちょう」で出るノドグロとはどうかだろうか。聞くと、脂のりはキンキが一番で、ノドグロ二番、キンメダイ三番の順番という。レンジのキンキ、表から裏を返して、出てきた。優しく上品、薄い塩味が舌に心地よい。骨のへりまで、時間かけて、せせった。味は◎だ。高級魚の値段は1400円、ぎょっとした。これも◎だ。?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月28日 (金)

漢詩の額、何と読む

015

014

ご先祖は江戸の文化文政の人で、開業は安政2年という。由緒ある有職京料理の「西陣魚新」だ。千本今出川の東南、西陣のど真ん中だ。宴席の大広間に書の大きな額が掛かっている。草書というのだろうか、右から漢字5文字だ。どう読むのか、気になり出した。

高校の体操の先生を偲ぶ会だった。同窓会の会誌編集委員会の主催で、右前は先輩、前と両隣は後輩、出席は20人ほどだ。挨拶、献杯すんで、思い出の団欒中、回りの方々にどう読むと聞いてみた。旦那さんと一緒に来た女性が~真ん中は藤、その左は満でしょうか~と言う。本屋経営の社長は~家に額はあるけどわしは学がない~と、巧みに洒落る。

 元高校の校長さんも額を見上げて、首を捻る。書の心得ないと、しょうは?わからないそうだ。宴終わりの頃、女中さんに帳場で聞いてもらった。女中さん、記念写真撮影中に階下から上がってきた。紙に~花香って、酒杯に落つ、関雪~と書いてある。明治の日本画家、橋本関雪がしたためた中国の漢詩「花香落酒杯」だった。改めて額を見る。最初の<花>はハナから難しいが、あと4文字は、なるほどと思う。関雪の漢詩、間接的に知る。?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月27日 (木)

JR京都駅ビルの長い遊歩道

007

017

 遥かなる南遊歩道-、行って戻って、また行った。端から端までどれだけあるのか、実験ウオークを試みた。携帯の万歩計をチエック、デジタル時計も確認した。先が霞む長いコンクリートの道。コツコツコツ…革靴が響く。JR京都駅ビル、晴れた休日の午後だ。

 駅正面から大階段へ出て、八条口側の3階フロアへ降りた。真ん前、ガラス越しに停車中の新幹線のぞみが見える。南遊歩道の表示がある。最初は中央から西半分を歩いた。伊勢丹従業員通用口、反対側は新都ホテル、PHPビル…だ。突きあたって、斜め下は近鉄電車だ。平城京1300年で奈良行き満員御礼だ。京都のシンボル、東寺の五重塔も…だ。

 折り返して東側へ行く。半分はいま来た道、中央から先は初めてだ。グランヴィアホテル側に樹木が植わり、憩いの空間だ。浮浪者対策か<居座り、荷物放置禁止>の張り紙もある。ドアが1か所、開いている。京都劇場の舞台裏だ。突きあたりは、東山連峰、真下は線路また線路だ。琵琶湖線、奈良線…JRの電車が次々に行く。歩数結果?1000歩、所要時間3分半かな。正式には距離470㍍。駅ビルで長さの日本一とか。いや遥かなり。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月26日 (水)

石峰寺の五百羅漢を見る

025

029

 あの顔、この顔…、山中に顔また顔だ。笑っている、泣いている、怒っている…。江戸時代の絵師・伊藤若沖が作った石像の五百羅漢である。若沖が庵を結んだ石峰寺の裏山だ。朝から雨が降り続いた日曜の午後、初めて行って対面した。所謂、フェイスツーフェイだ。

 羅漢さん、京阪電車100年のポスターに出ていた。題は<あの日に帰りたい京都>で、石仏が夕陽に輝いていた。京阪祇園四条から乗り深草駅で降りた。改札で石峰寺は?と聞いて、周辺マップをもらった。駅から10分の案内だ。疏水とJRを越え、地図通り歩いたら5、6分で着いてしまった。足が長いせいかな?。本堂までの階段、数えて70段だ。

 黄檗宗の禅寺、拝観代は300円だ。お寺の奥さんだろうか、~裏山はこの雨で、足場が~と言う。それでも行かねばならぬ…だ。雨の中、水溜りをさけつつ、羅漢参道を上った。若沖さんの墓にもお参りした。禅に傾倒、禁欲僧の如く生涯独身を貫いた。没85歳だった。山中の五百羅漢は、釈迦の生誕から冥界、賽の河原までだ。石屋さんに10年かけ、彫らせたという。随分と風化している。あの羅漢さん、鞍馬天狗のアラカンみたいだ。?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月25日 (火)

川の色はどうして緑

071

066

 歩いていると、不思議に脳がよく働く。京都市美の展覧会を見て、地下鉄東山駅へ向かう道筋だった。脳は何を思ったのか、目にきて、どうして川の色が違うのか?と聞いてきた。疏水から白川へ分水界を過ぎ、二つの川沿いを歩いて、脳の思考は急に足まで止めた。

 脳が思う通り、確かに川の色が違う。今、歩いてきた疏水は緑々しているのに白川は底まで見えて、清らかで白い。止まった足は確認に疏水べりに戻って、脳はデジカメ検証を求めた。疏水と白川を讃える詩を記した石碑の北側、ちょうど京都国立近代美術館の前の疏水だ。近美の四角な建物、右側は平安神宮の大鳥居と橋の朱色が緑の川に映っている。

 どうして、なんで?、脳が回答を要求して、宿題になった。自宅に戻って、脳の指示で両手によるネット検索だ。川の色-と入力したら、すぐ答えが出た。阿賀野川の舟下りの船頭さんが<お客さんに川の色はなぜ緑色か、よく質問される。教えて>と聞いていて、日本河川協会の回答があった。色々、書いてあったが、水中の物質の中の緑の散乱か、山の多い所は山が反射して緑に―などと出ている。このアンサー、脳さん、どうかのう??。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月24日 (月)

元SL機関士さんとの出会い

028

030

 機関士さんだったんですか?と聞いたら<そうです>と言う。すみません、お幾つですか?と重ねて聞くと、<はい、88歳です>と答えが返ってきた。帽子もナッパ服もブルーの機関士姿だ。大津市におの浜のSL広場に展示してあるC57機関車での出会いだ。

 大津プリンスホテルで滋賀陸協元理事長、松田良男さんが自ら主催する傘寿感謝の集いに出ての帰りだった。湖岸べりを10分ほど歩いて、県立体育館近くの広場に30年来、展示の蒸気機関車の写真を撮ろうと近づいた。貴婦人の愛称があったC57だ。何時もは閉まっている柵が開いていて、元機関士さんが慈しむように部品をワックスかけしていた。

 会話が始まった。梅小路機関区所属、18歳から国鉄マン。今は山科居住だが、膳所出身なので、月に一度は磨きに来る。青春回帰のボランティアだ。展示のC57は昭和15年生まれで、東海道線など地球を50周するほど走って引退した。元機関士さん、このC57を何度も運転したという。米原で水の補給で交代、石炭の投げ入れは熱くてねえ…。昔日が次第に甦って来るような。元機関士さん、思い出ありがとう。ボオッツ、ボオッツ!

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2010年5月23日 (日)

得得うどんの赤マル

038

014

 ポイントは赤マルだ。1つか、1つ半か、2つか、それとも3つか。手打ちうどんの「得得」である。赤マルの数が<選べるボリューム>の目安だ。1つはシングルの1玉、これ基本ボリュームという。赤マルの増加で、1玉半、2玉、3玉、値段は不変で得得なのだ。

 滋賀県南草津の野路、国道1号沿いの店だ。ラーメン、ハンバーグ、焼肉の店が並んでいる。古民家ふうで、赤々看板の派手な「得得」に入った。しが県民芸術創造館であった研修会、ランチタイムを兼ねた周辺散策だった。得得は大阪本社のフランチャイズ店、自宅近くの店には行ったことあるが、ここは大きい。席は100以上、営業は20年という。

 昼どき、良く流行っている。ほぼ満席で、空いていた2人掛け席に座った。メニューに豪快!穴子の1本揚げと出ていて、穴子天ざるうどんを選んだ。どこが得得か890円だ。年配の女店員さんが来て、赤マル幾つにしましょ?と聞いてきた。それで、赤マル付きがわかった。もう一度、メニューみると、目安が書いてある。…赤マル2つはお腹ぺこぺこのお客様、3つは胃袋に自信のお客様…。それで、値段が同じならと2つにして得得した。?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月22日 (土)

今「天地明察」が面白い

007

015

面白い!とは、こういう本のことだろうか。バス10分、JRに乗り換える山科駅前のスタバで10分、計20分間の通勤読書だ。単行本、毎日持ち歩いて、一日に2度、味わうように読み進んだ。一辺に読み切るのはもったいない-、そんな思いにさす本である。

今、書店で山積みの「天地明察」(角川書店)だ。著者は冲方丁さん(33)で、暦の用語を並べ<うぶかたとう>と読む。1977年、丁巳生まれで、火が爆ぜる<丁>に対し、氷が割れる<冲>をつけ、職業にする意味の<方>を加える。本は著者初の時代小説。改暦事業を成し遂げた渋川春海の生涯を挫折と恋で綴っている。ペンネームに縁深い本だ。

今年、一番売りたいという本屋さん大賞の第1位だ。どう面白いかと言うと、時間を忘れさす文章力と展開力なのだ。頁を開くと、もう別世界になる。バスはすぐ終着になり、スタバではJRに乗り遅れそうになる。どんな作家?と思っていたら、タイミングよく京都新聞2面の時の人欄で載った。授賞式の写真、お若い。記事中、談話が出ている。~漱石、鴎外のように言葉が持つ生命力を尊重して、小説書きたい~と。作家明察の言葉なり。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月21日 (金)

卵と私の私?

056

060

昔むかし…、もうどれくらいになるだろう。ユルブリンナー主演の「王様と私」という映画があったなあーと思い出した。店名が「卵と私」である。JR京都駅地下街ポルタのレストラン、たまご料理の店だ。王様を懐かしみ、卵料理を欲し、私はひとり、入店した。

お店はブリンナーのせいか、我が頭のせいか、親しみを感じる。店の看板は、卵の黄身黄身一色である。お回りさんにキミキミ!?と言われそうな黄身だ。店員さんは卵に顔を描いたコックさんイラストと同じ山高帽だ。ビーフと牛タンシチューのオムライスプレートを注文した。ホームページ掲載メニューとウインドウ表示があって、最初に決めていた。

夜に草津市のしが県民芸術創造館でロビーコンサート、早目の晩御飯だ。右隣りの若い男女、左隣りの男女3人…、オムライスだ。グラタンであれ、コロッケであれ、店内の客はオムライスの様々だ。コーヒー付きのシチュウのオムライス1230円が出てきた。何という美しい彩りか。レタスの緑、トマトの赤、シチュウの茶色…これにフワフワ、艶々とした黄色のオムライスだ。卵と私、ナイフを入れるべきか。私のアイ?は愛になっていた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月20日 (木)

るり渓GCの<森の石松>

014

011_2

 爽やかな風わたる森の中、石に松が植わっている。自然の不思議を思う石松だ。傍に立て札は<森の石松>と名付けてある。~盤石の自然穴から自生した珍しい松です るり渓同好会~と説明してある。南丹市園部町、るり渓ゴルフクラブ東コース5番ホールだ。

ラッキーか、アンラッキーか、7、7、7…と続く午前中のラウンド。距離478yd、S字の5番ロングホールだ。調子が出ずとも、カアッとならず、カート?に乗り、第2打地点の手前に来た時、同伴のメンバーは~面白い松が待っています?~と言った。さすがにメンバーさん、コース熟知をしている。それが<森の石松>との自然な出会いだった。

石の厚さは、どうだろう、15㌢はある。背丈2・5㍍の松が地面から石をくり貫いて伸びている。女の一念岩を通す-とは聞いたが、そうか松も…だったのか。松はマッタケ出るまでちょっとマッタケ?の赤松だ。近づいて、写真を撮った。見ればみるほど、アナッ!と思う不思議な松だ。キャディーマスター室で聞くと、10年前にメンバーさんが見つけたという。松は虎造節で~江戸っ子だってねえ。さあ、寿司食いねえ~と言うのかな。?

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2010年5月19日 (水)

山陰線の夕陽追憶

036

026

 はるか西山の上、夕陽が沈みかけている。ステンレスの屋根の向こうだ。時刻は5月4日18時26分44秒である。デジカメの撮影時間表示だ。パソコンに移し替えた写真、右クリックして、プロバディを点検すると即わかる。JR山陰線の車内から撮った一枚だ。

 連休中のあの日、円町駅のホームで夕陽を見た。園部から京都行き電車の到着は18時20分だ。まだ時間があった。真っ赤な夕陽、何時見ても心が騒ぐ。ホーム先端まで行って、デジカメをズームにした。空が夕陽で染まっている。夕陽と電車、撮りたい。乗る前、停車中のわずかな時間だ。どう撮るか、またどきどきだ。時間通り、電車が入って来た。

 夕陽の位置と近づく電車。1枚、2枚、3枚…、1両目ヘッドマークと運転士さん、シャッター押すタイミングが難しい。電車に乗った。夕陽が車窓に見えて、追いかけて来る。座席からデジカメ向けた。ビルや看板や架線…夕陽を遮る。何度もシャッター押して、しまったあ、しまったあ…。二条駅、丹波口駅の停車、すぐ発車だ。京都駅に到着、ホームを駆けて、駅の2階西側へ上がった。嗚呼、夕陽はもうない。写真で見る夕陽追憶である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月18日 (火)

月下美人の焼酎漬けとイワシフライ

004

005

 瓶漬けのクラゲ?って聞いたら<違う!違う!月下美人です>と言う。久しぶりに行った浜大津に近い菱屋町商店街の魚料理「摩季詩」だ。注文は700円のイワシフライだ。カウンターの上に高さ30㌢ほどに角い瓶が置いてある。中身が何か、尋ねて言わした。?

 店長さんは鮮やかな包丁さばきで、マスコミ受けする中村千代子さん(5?)だ。店内はもう午後1時近く、少し店が空いた頃だった。魚の赤出汁にイワシは2尾、漬物と白ご飯だ。好物のイワシ食べ食べ、二度三度と質問を重ねた。瓶の中身は?何時から?どうして?思いついたこと、次々に聞く。店長さん、何度も言わしないなーと言わずに回答する。

 坂本のお客さんからもらった月下美人の焼酎漬けという。しょっちゅう?焼酎を入れ替えているうち、花がふやけて、もう味がしないと。根っこはクラゲの足みたいでフニャフニャだ。一晩限り、見てよ!見てよ!と咲いた月下美人の面影は、消えている。瓶は味付け海苔が入っていた。月下美人の説明板がある。幻想的な一夜花で、メキシコ、ブラジルなど熱帯圏のサボテンと。もう午後1時回った。イワシで言わして、何時までサボテン?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月17日 (月)

黒谷さんの山門は三門に通ず

034

032

 答えは<山門は三門に通ず>ではなかろうか。非公開寺院の特別公開で通称、黒谷さんの金戒光明寺の山門を上がった。ここでの記述はとりあえず山門。ロープづたいにターザン気分で狭い階段ミシミシと…だ。見渡す初夏の山々は東山連峰、絶景かな、絶景かな-。

 石川五右衛門で有名な南禅寺の三門は高さ22㍍という。ここでの三門は三門と書いて良さそうだ。黒谷さんの山門?は南禅寺ほど高くはないけど、いい眺めだ。写真撮りたかったが、撮影は外も内もご法度だ。同志社歴史研究サークルの学生さんが釈迦三尊像、十六羅漢など内陣を説明した。年配の拝観客から質問が出た。<ここは三門か山門か>と。

 学生さん、即<山門です>と言う。年配客が<境内地図に三門と書いてある>と反発する。確かに駒札は<山門>だったが…と帰りに境内図見ると、<三門>の表示もある。黒谷さん、山門もあり、三門もありだ。山門は山中の寺門、三門は涅槃に入る空・無相・無作の三つの三解脱門の意という。即ち、三門は迷いから解放されようとする者が必ず通らなければならないという意味で、寺の門はみな三解脱門と。いや、これぞ、悶々と…だ?。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月16日 (日)

朝刊1面に見る癒し写真

012

011

アユの稚魚が川に跳ねている。田んぼに曇り空が映っている。朝刊の1面、各紙ともカラー写真が載る。トップ記事、コラム…と読む1面に対し、伝統催事や四季の草花などで魅せる1面だ。各紙、腕の見せ合いでもある。毎朝の1面、写真はちょうかな?と見る。

 上の2枚は12日付けだ。確か、大きなニュースがなかった朝刊だ。右側は京都新聞の写真だ。<アユ ピチピチ 初夏の安曇川>の見出し。横イチ3段スペースの大きな扱いだ。琵琶湖産の稚アユが1尾、2尾、3尾…水しぶきの中で飛び跳ねている。川岸のトラック水槽からパイプ伝いに放流された瞬間だ。川の中ほど、漁師さんの表情が生きている。

 毎日新聞は空中撮影だ。見出しは<鏡に映る曇天模様 滋賀>だ。田植え最盛期を迎えた守山市内の水田を撮っている。縦長の4段写真だ。撮影時間は12日午後5時13分、本社ヘリからーと説明がある。大阪本社のカメラマンが空から撮った閑だねのスケッチ写真、大津支局の記者がJAに苗の生育ぶりなどを聞いて記事にしている。鏡のような水田写真が主役、記事は脇役だ。アユ放流に田植えの水田。年年歳歳の1面写真に癒しあり。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月15日 (土)

運転手さんの乗車御礼

001

004 京阪バスの運転手さんが<ありっ、ありっ…>と言う。あれっと?聞いていたら続いて<…ました、…ました>とつぶやくように言う。乗客が降りるごと、口あてマイクで、それもリズム良く、である。その言い方、<ありがとうございました>を簡略していたのだ。

 毎朝、通勤で乗る京阪バスだ。赤白の車体、ワンマン運転である。始発の大宅から大石街道を通り、国道1号から山科駅へ行く29番だ。大石街道?あの内蔵助が山科に隠棲、討ち入りカモフラージュで一力茶屋へ通った伝説の道である。自宅近くから終着の山科駅まで15分余り乗る。同じ系統でも運転手は変わり、乗車お礼の言いようも個人差がある。

 雨の降った日、満員の乗客だ。着いた山科駅、久々にあの運転手さんだ。<ありっ、ありっ…>だ。後ろから耳を傾け、降りた。料金箱にお金が入る。パスカードが通る。そのたびにお客さん1人1人に<ありっ、ありっ>と言っている。<…ました、…ました>も間断なく続く。丁寧に言ってもお礼、中抜きでも、わかれば、お礼はお礼だ。降りる時、運転手をそっと見た。中年かな、眼鏡をかけ肥っている。<運転、ありっ、…ました!>

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月14日 (金)

京阪京津線の幸せコロッケ

047

053 食べるにもTPOがある。TPOは和製英語。Time(時間)Place(場所)Occasion(場合)だ。所謂、「時と場所、場合にあった方法」である。何を何処でどう食べたかについて書く。食べたのは、近江牛のコロッケ一つだ。京阪電車京津線の座席、1人でフガフガと食べた。

 このTPO、一度ならず二度も-だ。京阪石坂線三井寺駅の真ん前、お肉屋さんの品川亭がある。店の玄関左側に<コロッケあります>の木札が掛かっていて、前々から買ってみようと思っていた。最初は去年の秋だった。ビーフカツ、ロース豚カツ、ミンチカツ…負けることはないカツ?の品揃いだ。店内に注文のお客さんが一杯、かつかつで入っている。

 一番人気はコロッケ。<品川亭のコロッケは100%近江牛を使用しています>と表示がある。お店の自慢、1個95円だ。揚げたて買い、浜大津から京津線に乗り換え、二度とも大谷駅と追分駅あたりで、1つほうばった。平均的に乗客の少ない路線。座席はまばら、そう恥ずかしくない。温かいコロッケと変わり行く車窓。一かぶり、二かぶり…近江牛の旨み、それはそれは…もう?。ガタンガタンして、景色みて食べて、幸せって!何々…だ。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2010年5月13日 (木)

児童公園の春と初夏、移ろいを撮る

019

014

 春から初夏へ…四季の移ろい、写真で実証した。ところは大津市打出浜の呼次松児童公園、湖岸通りのNHK大津放送局前だ。ときは4月9日と5月8日で、ちょうど1カ月経っている。桜満開の春から新緑の初夏へ…である。同じ場所、同じ角度で写真を撮った。

 あれは何処へ行った時だったか。京阪電車石坂線の線路沿い、滋賀県庁前の職場への帰り道だった。写真のプロバディで撮影時間を見ると、午後4時15分だ。確か曇り空だったと思う。公園の公衆トイレの脇、ソメイヨシノとユキヤナギが満開だ。思わず常時、腰に下げているデジカメを向けた。それが今年撮った我が桜写真のベストショットになった。

 画面の下、ユキヤナギの白い小さな花が波を打っているみたいだ。ピンクの桜、画面を覆い尽くして奥行きがある。今まさに春蘭満だ。時流れて、近くの大津市勤労者福祉会館で歴史大学の講演帰り、再び公園へ行った。午後3時半、晴れ。気温は20度を超えている。あの時と同じ場所に立った。ユキヤナギは緑の小さな実をつけている。ソメイヨシノは青葉に若葉だ。写真は画面いっぱい滴る緑だ。時はまさに初夏…しょうか、しょうか。??

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月12日 (水)

ふじの木茶屋にフジ開く

024

027

 どうかな、どうかな…会えるかな。京阪石坂線三井寺駅を降りて、琵琶湖疏水わきを歩いて7、8分だ。西国第14番三井寺の観音堂へ通じる南口は、もうそこだ。彼女がいる訳でもないのに妙にドキドキする。どうかな、どうかな…。あっ、見えたあ、下っている!。

 ふじの木茶屋の庭に咲くフジ、やっと会えた。お店構え30年という蕎麦屋さんだ。初めて訪ねてもう4年かなあ。何度か見せてもらった写真のフジ、目の前に咲いている。赤紫の小さな花、フジ棚から幾筋も糸を引いて、垂れている。太い竹で組んだフジ棚の下に入った。高さ2・5㍍くらいだ。写真は暑くなかったが、下から仰いで、仰いで…だ。??

 お店はご夫婦経営で、奥さんが一人客席にいた。一年に一度の訪問でも、知ってもらっているようだ。すぐ本題に入った。花は連休明けに開き、この前から伸び出して、今が一番長い旬の時という。聞くだけでは申し訳ない。500円のざる蕎麦で、さらにツルツル聞いた。樹齢は開店以来でもう30年という。店内の小さな鯉飾り入れて、ガラス越しにもう一枚撮って、思った。直前のドキドキ、この鯉?のせいでなかったかと。違ったかな。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2010年5月11日 (火)

丼もカレーライスも端数は1円

042

014

どうも腑に落ちない。食べて、値段見て、ふと考えて、何でかナと思う。わざわざ端数が1円付くよう税込み値段が設定してあるのだ。訳はイチイチ?聞いていないけど、なんでそうするのか、不思議でしようがない。具体的な事例を二つ挙げ、イチから検証した。

 京都伊勢丹地下2階の<鶏-尾張・三和>だ。創業昭和8年の老舗、いつも7席あるカウンターは満席、流行っている。初めて入り、名古屋コーチン親子丼を頼んだ。コーチン、コチコチして、味は◎だ。値段は本体839円で税込み881円である。木曽鶏親子丼は681円、春野菜親子丼も751円…、イチイチ1円付きだ。わざと1円出る設定なのだ。

親子丼の時はそう思わなかったが、高島屋地下のカレーハウス<サンマルコ>で、また1円が出た。海老フライカレー751円、ビーフカレー661円…だ。丼もカレーも、何でそうなるのだろう。1円を笑うものは1円に泣く-という。昔は一銭、今は一円。たかが1円、されど1円…、1円たりとも疎かにしては、である。支払いは両店ともおまけで、1円は勘定外のようだ。1円のプラス、笑うのはお店か、消費者か、悩める1円何処へ?。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月10日 (月)

人気の等伯展、花金に見る。

029

038

 絵師の長谷川さん、えらい人気だ。連休中は40分、60分、70分待ちだったそうだ。会期まであと3日、閉館時間延長の7日金曜の夜に行った。京都国立博物館で開催の没後400年記念の長谷川等伯展だ。東京国立博物館からの巡回、東博から来た等伯展である。

 朝から雨、花金の夜、午後8時の閉館30分前-すっと入れると思ったが、特設テント通路の中で20分待ちだ。思惑はてんと外れた。東博では予想16万人に対し、29万人だったそうで、京博でも引き続き長谷川さん人気だ。どちらかと言えば、墨の濃淡で描く襖絵イメージだった。第1室、能登で描いた仏画は繊細で豪放で…、アイドントノットだ。

 アンダーラインの洒落三つ、着地良しだ。閉館までもう少しなのにまだ頭越し鑑賞だ。どうやら閉館時間再延長のようだ。第2室、能登から33歳で京都入りする信春から等伯の時代だ。大徳寺三門の障壁画、色彩乱舞の金碧画…、利休、秀吉を唸らせ絵が並ぶ。第3室から最後の第7室へ、国宝の松竹図屏風だ。霧を描かずあらわす水墨画の極致である。<生きることは、かくも切なく、美しい>。等伯展のキャッチコピー、いや誠に美しい…。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2010年5月 9日 (日)

なぜ大徳寺にハナミズキ

010

014

一休さん、一休さん…である。どうして、大徳寺にハナミズキがあるんでしょうか。なぜか、そう、問いかけたくなった。非公開寺院の特別公開で行った大徳寺本坊である。樹高は7、8㍍あり、枝先に白い花がいっぱい、満開だ。樹齢はかなり重ねているようだ。

宗教性高い大徳寺本坊の特別公開、重々しい。門を潜ってすぐ<砂利の上を歩いてはなりませぬ 大徳寺>と毛筆書きの立て看が出ている。~それはなりませぬ~の、懐かしい<ぬ>だ。敷石外さぬようにそろり歩いて、ハナミズキを撮った。本坊内の撮影は厳禁、外からお咎めない。夏風邪のせいか、鼻水?が出ても、仰ぐ如く下から夢中で撮り続けた。

ハナミズキは大正4年(1915年)に米国から入ってきた。東京都がワシントン・ポトマックス河畔に桜の苗木を贈ったお返しだ。2日付け産経新聞1面コラム<産経抄>に怪しくなった日米関係を引用するのに両国の仲介役の桜とハナミズキのことが出ていた。連合国軍総司令官・マッカーサーも戦後、随分国内に植えさせたという。もう一度、一休さん、一休さんだ。大徳寺のハナミズキ何時、植えたんですか。答え、花に聞きなさい!?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月 8日 (土)

経済講演は手ぶり1本の熱演

 018

021  両手をあげて、また下げて…右手を前に左手も…である。信州大経済学部教授、真壁昭夫さん(56)が琵琶湖ホテルで、「どうなるこれからの日本経済」と題して講演した。それはもう熱演だった。講演1時間30分、身ぶり手ぶりでなく、手ぶり1本で喋り切った。

 グレーの背広、薄い眼鏡、ネクタイはエンジだ。壇上に上がって、開口一番に言った。<滋賀は2度目です。気合いを入れて話します。解り難い時は首を右に傾けて下さい>と。神奈川県生まれ、一橋大卒業して、第一勧銀に入り、英米で海外経験をつみ、みずほ総研主任研究員を務め、5年前から大学の教授だ。会場にはA4版20頁の資料が配ってある。

 一番後ろの席で聞いた。真壁教授、声がよく通る。白板に<BIICS>と書いて喋り出した。世界の経済はこれから西から東へ…という説明だ。日本の経済は世界を見ないと読めないと言う。白板外れ演台へ戻り、世界は…で両手が頭の上にくる。日本は…真ん前に突き出る。株がど~んと下る…では、右手が落下する。演台まで15㍍とかなり遠いけど、手の上げ下げに焦点をあてた。デジカメの3倍ズームだ。講演内容?ぶれてなかった。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月 7日 (金)

【】をつけた大学ロゴ

049

005

 新しいロゴは【】に決まった。京都成安学園創設から90周年、この4月から芸術学部芸術学科一つに統一した大津市の成安造形大学である。デザイン会社が大学側と連携・制作した新ロゴだ。何処にでもゴロゴロしているロゴではない。ちゃんと【】を付けてある。?

 JR山科駅上り線ホーム、真っ白だった線路側の広告看板に【】が出た=写真左=。毎朝の電車待ち、どこの会社の看板になるかなと、気にしていた。新看板【】は4月20日ごろからだった。左上は黒線がすっと伸びて、90の数字が入っている。バーコード、90周年のイラスト化という。さすがに芸術系大学である。黒線も【】も、デザイン優先だ。

何で【】なのか、大学のホームページを開いた。~成安造形大はクリエイティブカンパニーGRAPHとのコラボにより~云々と出ている。ロゴは90周年で一新、冊子、封筒、書類入れ…、みんな【】を使用するという。GW中、学内では【】展も開催だ。どうして【】なのか、意味は書いてないので、大学の知人に携帯をかけた。答えは余白の利用で、白の存在を示す【】だという。余白の【】中、何を入れるも自由とも。う~ん、ええ【】だ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月 6日 (木)

蹴上トンネルの扁額は北垣知事

 017013

どう読むのかなあ、と思っていた。地下鉄蹴上駅を降りて、南禅寺へ抜ける煉瓦トンネルの上にある扁額だ。変な額でなく、ちゃんとした額だ。右から漢書で<○観奇想>だ。最初のまるで読めず、連休中、近くの疏水記念館へ行った。答えは<雄>がだった。?

 展示コーナー1階奥に詳しく出ていた。京都府知事だった北垣国道氏の言葉である。漢書で「雄観奇想」だ。<ゆうかんきそう>と読む。意味は~雄観は見事なながめ、奇想はすぐれた考え~という。念のため、パソコンでローマ字打ち、漢字変換したら「夕刊競う」と出た。地方紙では夕刊止める所が相次いでいる。それなのに夕刊競う…やはり変額か?。

 変過ぎて、洒落にならないと自覚して、もう一度、展示解説に戻る。北垣氏は天保7年(1836年)生まれ、但馬の人という。明治14年に京都府知事になり、京都の町を元気づけるため琵琶湖疏水を提案して、建設を進めた偉人だ。トンネル抜けた側にも北垣知事の扁額がある。<陽×××>で、文字が消えている。展示室によると<陽気発処>で、意味は<陽気発するところ金石もまた透る>だそうだ。風薫る初夏に扁額解読、変かあ。?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月 5日 (水)

大石神社の手打ち蕎麦処 あさ乃

032

037

 討ち入り、藪入り、引越し、年越し…なぜか蕎麦が似合う。討ち入りと言えば、時は元禄14年…の大石内蔵助だ。その内蔵助を祭神とする京都市山科区の大石神社のすぐそばに蕎麦屋さんがある。これ、自然体で洒落になった。幾久屋(きくや)あさ乃さんである。

 割に家から近く、学生時代の恩師のご自宅が大石神社のまるで境内にあって時折り、お伺いする。この間、朝掘り筍を頂戴したお礼に行った帰り、この蕎麦屋さんに初めて入った。表戸開けて、靴脱いで、畳の部屋に上がって、卓袱台の前に座って…、普通の?という言い方も変だが、民家なのだ。和紙メニュー見ていたら、普通の?奥さんが姿を見せた。

 御主人は地の人で、蕎麦修行をして、開店6年目という。部屋は6畳二間、台所が蕎麦打ち場だ。江戸風味の鰹節と二八蕎麦という。江戸?と聞いて、懐かしい蒸籠蕎麦思い出し、鶏汁そば1200円にした。~春さそう 花よりもなほ 我はまた 春の名残を 如何にかとせん~。内匠頭の辞世の句が載った冊子を読んで待つ。玄関の表札は麻野晴史さん。浅野違いでもご縁はある。手打ちの二八、味は思い通り、本懐遂げ満足であった。?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月 4日 (火)

黒谷さんの牡丹と躑躅

024

025

 これぞ、透きとおるようなピンク―というのだろう。~立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は…~の牡丹である。真っ赤な躑躅と隣り合って、色合いを競うように咲いている。まるで、<見るのは、今よ!今!>とでも言っているような。旬の美コラボ、うっとりである。

 非公開文化財の特別公開で行った黒谷さん。正式には浄土宗に七つある大本山の一つ金戒(こんかい)光明寺である。今回?法然さんの遺骨がある初公開の御廟(ごびょう)を拝観して、大方丈へ歩いていた。御廟から5秒もかからずの発見だった?。境内看板図のある上、法然像が立つ修錬道場付近だ。少し坂道になっていて、下から見上げて気づいた。

 牡丹は1、2、3…5つだ。どれも大輪である。真上から覗き込む。雄しべ、雌しべ…黄色い花心が恥ずかしそうだ。薄い花びら、ふわふわスカートのようである。ようやく、本物になった春の陽ざしを受けて、透け透けルック。隣は平戸躑躅なのか、山躑躅か、よく手入れされていて、赤くこんもりだ。牡丹と躑躅、流行りのコラボによる協働開花である。ここで一句。~黒谷の 透ける花輪に 目を閉じて 明日の我が身を 法然と思う~

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月 3日 (月)

銀座で青森でGION

107

102

 知っていれば、何でもないが…である。銀座

6丁目にあるスナックの店名が、なぜか京都の祇園の「GION」だ。お店に青森県出身のお相撲さん、高見盛がりんごを持つポスターが貼ってある。入り口2枚、階下の店内に5枚もだ。京都と青森、何でかな…と思う。

 故郷は故郷を呼ぶのだろうか。東京に支社がある地方紙の支社長が通うお店だという。何でも68会とか言って、お客さんが少ない午後6時―8時に集まり、団欒して、歌いつつ、割安料金でひと時を過ごす。青森・八戸のデーリー東北、香川の四国新聞、福井新聞、宮崎日日新聞、佐賀新聞…、歌好きで、かつ上手い支社長さんが代々、会長を務めたという。

東京勤めが終わり、現役を退いても、かつての支社長さんは、東京に来て夜になると寄る?。ついこの間の東京行、仲間に入った。お店はもう20年来続いている。ご出身が青森県は北津軽郡板柳町、りんごの生産は県内で2番だ。胸をばんばん叩く人気の高見盛は御当地力士なのだ。店名の「GION」は、祇園は憧れの町だからと言う。あの夜、佐賀の元68会長さんの選曲は<故郷の話をしよう>だった。故郷は遠くにあっても…なのだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月 2日 (日)

浦島太郎の釣り糸

103

105

 何何!浦島太郎が釣り糸を垂れているようなので<ウラシマソウ>だって?。毎日新聞滋賀県版にそんな記事が出ていて、切り抜いた。近江八幡市安土町常楽寺の沙沙貴神社の境内でGW中、咲いているという。白黒の写真付き、見出しは「釣り糸のような花穂」だ。

 どこがどう浦島さんの釣り姿か-GWの初日に行った。JR山科駅から安土駅へ40分余り、運賃はICOCAが改札をイコカ、イコカと通るので、よくわからない。駅前の信長像見て京都よりに戻って、徒歩7、8分だ。佐々木源氏の氏神さんという沙沙貴神社は江戸時代の建立、県の重文指定という。歴史より浦島花だ。境内の近江百華苑へ直行した。

 瓢箪木、白玉万作、夏蝋梅、富貴草…、さすがに百華苑だ。珍しい花が色々あるのにウラシマソウが見つからない。探しあぐねて、社務所で<新聞に載っていた花?>と聞くと、境内の外れの草地だという。楼門を出た所だった。ウラシマソウ自生地の案内板が出ている。足元に黒紫の筒状の花が咲き、糸状の花穂がすうっと伸びている。何か釣れているか、そっと手繰った。手応え?鯛や平目の舞い踊り?かな。帰りの土産箱、春の夢を入れた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月 1日 (土)

三菱美術館の最初はマネ展

067

017

 そうはない展覧会のようだ。三菱一号館・美術館開館記念の「マネとモダン・パリ」展である。国立西洋美術館学芸課長の高橋明也氏が初代館長に就任、自らが最も好きな画家・マネの画業を集大成した。誰も真似出来ないマネ回顧展、マネー1500円で鑑賞した。?

エドゥアール・マネ、近代絵画の父と言われる。1832年フランス生まれ、官的なサロン美術に挑み、新しい絵画世界を広げた。ピカソ、マティスを生み出す素地を作り、51歳で生涯を閉じた。マネの油彩と自画像=写真右=は東京駅八重洲側のブリジストン美術館で睡蓮のモネと一緒に見て、知ってはいたが、これほどのスケール展はさすが三菱だ。

<すみれの花束をつけたベルト・モリゾ>は、オルセー美術館からの特別出展だ。高橋館長は~黒と灰色のシンプルな色彩、瞬間に凝縮された時間…、肖像画の最高傑作の要素が満ちている~と解説する。眼は逆光の描写、黒のマネを象徴する作品という。モリゾはマネの弟子で、弟婦人だ。丸の内の真ん中、皇居に近い赤煉瓦復活の三菱一号館。4月6日の開館から2週間で2万人と。あの日、平日雨の午後も、人はみな真似てマネだった。?

| | コメント (1) | トラックバック (0)

« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »