鈴木画伯、似顔絵を描く
最初の一筆は、輪郭だった。日本画家鈴木靖将さんが滋賀会館再生のチャリティー事業で似顔絵を描いた。相変わらずの、藍染の作務衣スタイル。画歴50年、口髭がもう白い。朝一番、客が来ず、描かせてーの依頼で、前に座った。鈴木画伯、正面から顔を見にきた。
見られる気恥しさが…ある。モデルの立場、そう喋るわけにはいかないけど、時折り、問いかけた。男性と女性、どっちが?…。聞かずもがなだった。もちろん、女性!、即答だった。筆を動かしつつ、お酒は飲みますかーと聞いてくる。左手を横に出し、人指し指を立てて、こっちーと顔向きの指示がある。顔の輪郭が出来て、鼻筋、口元、目、眉毛だ。
顔が出来たところで、やり直しがあった。~朝は筆が走らない~と、もう一枚色紙を出して、色紙直しだ。いや、仕切り直しだ。今度はすいすい、筆運びが良い。~筆と硯あれば、世界何処でもいけます。国連でも描いて、稼ぎました~と。絵は仕上げに入った。印鑑の朱肉を使い、指で頬に色を付けた。手に持たせたワインは赤にした。所要時間15分余り、野人ぽい万葉時代の都人になった。出来栄え?、右上写真通り、画伯が目を細めた。
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