新熊野神社の「さすり木」
拝むが先か、撫でるが先か、必ずのように撫でて触る。新熊野神社の大樟(くすのき)さんの「さすり木」である。ちょうど腰のあたり、高さ1㍍足らずで、てっぺんが平らだ。何時頃からそうなったのか、お参りの人々がタッチまたタッチで、真からツルツルである。
京都は平安京から1200年の都、さすがにと思う。新を「いま」と読ませて、新熊野を「いまくまの」というのも歴史だ。本家紀州の古い熊野に対し、京都の新しい熊野というほどの意味らしい。社伝によれば、永歴元年(1160年)熊野信仰に厚かった後白河上皇が熊野の土砂、木材を持ちこんでの創建で、境内東南の大樟は上皇のお手植えという。
この大樟の枝がお触り木になっているようだ。東山七条から歩いて2、3分、この1月に写真撮影兼ねて2度行った。樟社は弁天さんが祀ってあり、太い幹回りに注連縄が巻いてある。お賽銭入れ、ガランと鳴らして、真下から見上げれば、空中が樟だ。高さはどうだろう、15㍍か20㍍、枝は横に斜めに…。京都市は昭和58年、天然記念物に指定している。写真は下って下って撮った。歴史の樟は、健康祈願の樟。また戻って、擦ってパンパン。
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