清少納言の歌碑との出会い
思わぬ所で、思わぬ歌碑によく出会う。この間は枕草子の清少納言の歌碑だ。御寺を「みてら」と読む御寺・泉涌寺の境内、仏殿の東側だった。縦横1㍍くらいの自然石で、昭和の名筆家・日比野玉鳳氏の揮毫だ。昭和49年11月 平安博物館設立-と記されている。
歌碑の刻まれた自然石を覗き込む。名筆ゆえか、風化ゆえか、読めない。解説の駒札の所へ行く。これも墨が薄くなっている。一歩も二歩も近づいて、歌がわかった。~夜をこめて 鳥のそら音は はかるとも 世にあふ坂の関は ゆるさじ~である。ああ、知っている。小倉百人一首、思わずハ~イだ。平安博物館の駒札、さすがに詳しく書いてある。
長徳3年(997年)3月、書道家・藤原行成に贈った歌だという。歌の意味は、夜が明けないのに鶏の鳴き声でだまして通ろうとしても私は通しません~ということらしい。鶏のそら音?昔もコケコッココウ!かなーと思う。これに対し、行成が返歌で清少納言をやり込めたとも出ている。清少納言は宮廷生活を終えた晩年、東山・月輪のこのあたりで隠棲していたらしい。駒札で学習、もう一度自然石をみるが、歌碑は読めず、甲斐はない。?
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