滋賀県展、最年少の特選は「夢みること」
ボクサーは何処を見ているのだろうか。両腕はぶらり、闘う姿勢ではない。もう相手を倒したのだろうか。それとも異次元の世界を見ているのか。題は「夢みること」だ。滋賀県展、最年少で特選の栗東高校美術科2年、萩谷貴之君の油絵である。
リンクは屋外だ。ボクサーの靴はべったとしている。開国当時の米国だろうか。ボクサーの胸板は厚く、肩の筋肉は隆々だ。リンクの向こう、手前は顔、顔、顔…、遠くは人、人、人…だ。作者の萩谷君によると、ロックのCDに貼ってあったジャケット写真をヒントに描いたという。画面右上のボクサーの顔の眼に思いを込めたという。
リンクの中からの情景を描き、真ん中のもやっとした白さは光りを表現したと話す。ベテラン作家にまじって、県最高峰の県展特選。学校の美術の先生は「まぐれ、まぐれ…」と言うそうだが、審査員の洋画家・入佐美南子さんは「背景の朦朧とした調子、観客とボクサーの表現、どれも効果的に構成されている。将来に期待がもてる作品」と講評している。滋賀近美の県展会場。作品の隣で撮った萩谷君写真、眼はボクサーと同じだった。
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