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2007年4月

2007年4月30日 (月)

箸でグニュグニュ菓子

 Img_0023_9 Img_0040_1 そう、あの味だ。ほのやかに甘く、粘っとしている。はったい粉の練り菓子だ。田舎の芋飴と言うのが一番かな。昨日、浜大津・明日都であった「昭和の日」イベントに出かけ、懐かしい味と再会した。

 はったい粉は大麦を炒って、ひいた粉をいう。練り菓子にするには、お茶碗に粉と砂糖を入れて、お湯を注ぎ、箸で混ぜれば、それでよい。昭和20年代ころまでは、家庭の手作りおやつだった。粉は炒ってあるので、別名で「麦焦がし」とも言うそうだ。消化によく、便秘にも効く。今でも雑穀屋さんで売っているとか。

 テント張りの、はったい粉コーナー。担当のお母さんらが紙コップをとポットのお湯を使い、グニュグニュと箸でかき混ぜている。1分で出来上がり。実演みて、試食して、話を聞いた。一人のお母さんは「私、これ、知らないんですよ」と。もう一人は「昔、砂糖がなくて、サッカリンで代用しました」と言う。昭和の味、次第に遠く…。

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2007年4月29日 (日)

親鸞から青梅へ…

 Img_01_1 Img_0164 何時、買ったのかなあ。吉川英治の「親鸞」である。角川文庫の上下本で、奥付けに昭和59年12月改版20版発行―とあるから、その頃だろう。そのうちにと思って、書棚にずっとしまっていて、やっと開いた。人間・親鸞の生涯、波乱万丈である。何処へ行くにも持ち歩いて、読みきった。南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…。

親鸞は作家・吉川氏の処女作で、東京毎夕新聞の記者をしていた30歳頃という。社命執筆とかで、同僚記者より2時間早く出勤、毎日の掲載分をその日その日に書いた。本の解説で、井伏鱒二氏がそう書いている。「吉川氏はこの親鸞の執筆で、新平家物語に繋がる伝記作家として、力をつけたことだろう」とも。

この間、奥多摩の青梅まで行って、吉川英治氏の書斎を見て来た。ここで52歳から10年間、暮らして、週刊朝日に7年間連載した新平家物語を書いている。入場料500円、吉川文学館として、母屋も庭も当時のままという。宮本武蔵、新書太閤記、三国志、上杉謙信、私本太平記、新水滸伝…、70歳までの執筆人生、その凄さを思う。親鸞を開いて、吉川文学へ、南無阿弥陀仏のご縁かな。

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2007年4月28日 (土)

レトロな中華屋さん

 Img_0004_14 Img_0009_9 スープは鶏ガラ、という。もやしと卵の煮抜きが半分に切って入っている。麺は京都の老舗仕入れ。それで味?まあ、いわゆる昔のラーメン。こってりでもなく、極端にあっさりでもない。まあ、レトロなラーメン。

中華屋さんの平和亭で、お店は県庁前の滋賀会館地階にある。ご主人は長靴履いて、つくって、出前して、一人二役三役…。ずっと共働きのお母ちゃんに聞くと、開業から来年で、もう30年、味も値段もそう変わらないそうだ。そういえば、電話もまだ、ダイヤル式の黒電話を使っている。懐かしい?と言うと「かかってくるだけやさかい」と。

昨日の昼、何時行っても定番で「本日のサービスメニュー」と模造紙書きしてあるラーメン+炒飯600円を注文する。炒飯はチャーシュウのこま切れとハムと炒り玉子、良く混ざり合っている。元祖炒飯。お土産には50円のサービス券と缶のウーロン茶がつく。値段に満足、それで味にも満足…。妙に落ち着いて、いや、レトロ、レトロ。

 

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2007年4月27日 (金)

600系の回転焼き

 Img_0002_11 Img_0023_8 ♪~毎日毎日、僕らは鉄板の~♪…、あの鯛焼きくんの電車版が出た。京阪電車石坂線の別所駅。今、ここの改札口に「大津新名物 アツアツ ミニ電焼き」というオレンジ色の新しいノボリが立って、切符も、回転焼きも、売っている。

 名づけて、ミニ電焼きという。つぶあん、紫芋、チョコ、クリームの4種類、どれも一つ百円。京阪電車がこの4月からこの駅だけで発売を始めた。鉄板の鋳型は石山―坂本間をトコトコ走る600系をイメージしたという。これまで、レールフェスタなどで特別販売していたのを常設に切り替えたのだそうだ。

 昨日、大津市役所へ行ったおり、食べてみた。ひとかぶり…、うーん。もう、ひとかぶり。うーん、これは、いける。聞くと、あんこは中国産でなく、北海道は十勝の小豆だという。冷めていても、おいしい。甘さ、控えめである。売り上げ?聞くと、一日に200個ぐらいで、これも控えめという。まあ、継続は力?かな。

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2007年4月26日 (木)

花の後先

 Img_001_1 Img_0016_14 つつじは久留米に平戸…。それに霧島、琉球、玄海もあって、なぜか九州地名の冠つつじが幅を利かす。ナンでかな?と、府立植物園に聞く。「えっと、???…まあ…、九州は暖地ですから…」と。この答え、消化不良で益々、ナンでかな。

今、そのクルメつつじがJR山科駅前近くのロータリーに咲く=写真左=。幅5㍍ぐらいの植え込み。赤と白とピンクの彩りが、鮮やかだ。花弁は可憐、色合いが目に沁みる。ヒラドつつじは、昨日歩いていて、大津市の滋賀銀行本店前で見た。赤い花が緑の葉っぱをかき分けるように出ている=同右=

クルメとヒラド。二つのつつじ、どう違うのか?、再び植物園に聞く。クルメは、花が先にパッと開き、新芽の葉は後から出て来る。ヒラドはその反対なのだそうだ。瑞々しい緑の新芽が先に出て、花は後からという。花の後先…、そう聞いて、2枚の写真を見比べた。うーん、なるほど、それなら、つつじまが…。いや、違った。辻褄(つじつま)があった…。

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2007年4月25日 (水)

1番窓口の夢

Img_0017_7 Img_0068_1 ここ、そや!、ここやがな!。東京は有楽町の宝くじ売り場。ここで買うと、1億円がポンポン当たるそうな。正式には西銀座デパートチャンスセンター。8つある窓口のうち、左端の1番が1番だという。

 東京ぶらりの19日、その日は大安吉日だった。とき良し、ところ良し…、やっと天運が巡り来た?。福呼ぶウワサの1番窓口。2千円でスクラッチ籤を10枚買う。ゴシゴシ削りは、あとでとポケットにそっとしまう。見上げた看板は「この売り場から平成の億万長者340人480億円!!」と。いや、ありがたい。

 2番でも3番でもない、この1番。年末ジャンボの時は長蛇の列で、最後尾から並んで窓口に着くまで1時間はかかるという。スクラッチ買ったその日、夜の宴会と二次会すませて、やっとホテル入り。1枚、2枚、3枚…、10円硬貨でゴシゴシ、胸はドキドキ。削って、削って…それがシュート、カーブ、スライダー。やっとの1枚、5等500円。嗚呼…、1番の夢は、夜開かず…。

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2007年4月24日 (火)

出歩いて昼ご飯

Img_0019_6 Img_0014_11 たかが昼飯、されど昼飯である。出歩いて、日替わりで何処かの店に入る。どんなメニューか?美味そうか?値段はどうか?…、食べ終わって、満足度は?…、以下は最近、食べた昼ご飯一覧である。

     牛鍋定食(950円)東京・木挽町

     大津膳(880円)大津・島の関

     2色のざるどうふ膳(1300円)青梅・沢井

     ほうれん草ベーコンピラフ(720円)守山駅前

     ビーフカレー(1365円)大津・瀬田GC

     ラーメンと焼き飯(550円)大津・滋賀会館地下

     他人どんぶり(950円)大津・膳所

こう並べると、バラエティーに富んでいる。東京で食べた牛鍋定食=写真左=は、柳川みたいで、味よし、値段よし。歌舞伎座に隣り合っていて、店内に役者の写真など並び、雰囲気がいい。1365円のビーフカレー=同右=は、瀬田GCで一番の低料金メニュー。まあ、1週間に一度のカレーはボケ防止効果と思って…。昼ご飯の思い出、あの日あの時…。

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2007年4月23日 (月)

シークワサーは九年母?

 Img_0055_2 F015017 シーは酸っぱい、クワサーは食べさす、の意味という。今、人気の沖縄特産のシークワサーである。県北部で栽培の、小さなミカンで、品薄になるほどだそうだ。この間、銀座6丁目のスナックで、500㍉㍑のボトルが出てきた。焼酎で割って飲みつつ、シークワサーで、ユーシー、アイシーと話が弾んだ。

話の中心は沖縄・竹富島出身の東金城筍一さん(63)。その昔、皇后さまが「霜成りの九年母 志慶間乙樽 今帰仁城主の奥方」という歌碑のことで、おたずねがあってねえ…と言い出した。それ、何のこと?と、同席者の質問が相次いだ。九年母(くねんぼ)はシークワサーのこと、志慶間乙樽(しけまおつだる)は殿様の側室で絶世の美女のこと…、それが?何?と、話は展開する。

今帰仁城主(なきじんじょうし)は有名な沖縄北山のお城で…。ワハハワハハと陽気な東金城さん、地図まで書いて説明する。それでも??で、とうとう手書きの口語訳。「皇后様があの歌碑にあるお城の九年母の実、どうなっていますか?と問いかけたこと」と書き込んで、落着した。ここまで30分以上、ああや、こうや。酸っぱいシークワサー割り、やっとスウッと。

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2007年4月22日 (日)

見上げてご覧…東京サ

 Img_0030_2 Img_0109 ♪…上を向~いて、歩こお~おう♪…、東京サはどうも九ちゃん歩きになる。行く度にボコボコとビルが建って、それが高い、高い。この19日にお上りさんしたら、六本木にヒルズより高い「東京ミッドタウン」だって。地下5階に地上54階、高さは248㍍、見上げて、もうキリン、キリン…。

 久々の東京日程は3日間で、携帯の歩数計は、合わせて5万3千歩、距離35㌔にもなってしまった。20日は中山カントリクラブ。ここは名門ゆえか、乗用カートなく、打って歩いて、走って?…。都心からの移動含めて、この日は2万1千歩、14㌔にも。成績の方?、平坦コースでボールが良く転がって、二桁まであと二つの今季最高タイ。それでタイ? ハイ、…。

 昨日の21日は奥多摩ひとり旅。青梅線の沢井駅降りて、多摩川沿いの遊歩道ぶらりぶらり。山吹が黄色く、渓流は陽の光に青くきらめく。世の中忘れ、自然の中を歩き続けて、日本画家河合玉堂が晩年、何時もスケッチしていた場所に建つ記念美術館へ。緑の柔かい風に山桜の花びらがスウッと舞っていて、一句。「玉堂に 名残りの桜 かさねみる」。さて、どうかな…。

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2007年4月19日 (木)

大津絵鷲のどんちょう

 Img_0009_8 Img_0002_10 ワシや、ワシやがな…ではない。本物の鷲である。この鷲、県庁前の滋賀会館南入り口にいる。鶏冠は金髪で、嘴を開き、松のような枝にとまっている。これ、実は会館の大ホールに架かっていた緞帳の部分で、鷲は大津絵だという。3年前にあった会館50周年事業で、記念展示してからずっとそこにいるそうだ。

 この大津絵緞帳もだいぶ前に一線を退き、大ホールは今、引き幕になっている。展示されている鷲は刺繍縫いで、大きな緞帳の上に貼り付けてあったらしい。当時の緞帳写真が隣にあるので、全体がわかる。真ん中に鬼三味線があって、左に女虚無僧、右にやや傾いて鷲がいる。

大きさは幅が15㍍、高さは6㍍だから大緞帳である。写真をみると、提供は東レとなっている。女虚無僧も鬼三味線は大津絵では有名だが、鷲は何で?と思って、何人か聞いた。皆さん、答えは「わしゃ知らん」。それは、まあ、冗談として、刺繍で縫った女虚無僧も鬼三味線も静かに舞台裏で眠っている。今はもう出番なく、どんちょうもない。???。しんどいかなあ。

※ 明日、明後日は花の東京サへ。ブログは東京歩いて見てで、2日間休載します。

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2007年4月18日 (水)

顔また顔…

 Img_0056_1 Img_0061_1 歩いていて、一度通り過ぎて、あれっ?と、戻った。なんと、縦2㍍、横5㍍の掲示板に150人以上の顔写真が並んでいる。顔、顔、また顔…。掲示タイトルに赤地に白抜きで「スーパー講師2007 合格させる、力です」と。

このズラリ顔写真、烏丸六条北西角の代々木ゼミ京都校にある。講師の名前入りで、英語、数学、国語、理科、地歴・公民の教科別になっている。正面写真でなく、教室での講義から顔をアップしてある。みんな若くて、表情豊かで、何となく熱っぱさが伝わってくる。生徒を顔でキャッチの顔である。

この予備校の周りを見渡す。「全国27万人の合格発信基地」「2006年度合格実績は東大860人、京大496人」「志望校が母校になる」…、どれもこれも激しいが、やはり顔写真が意表をついて、個性的で魅力的である。このゼミ、ホームページでも顔写真の講師が「ここを教えたい」「君にメッセージ」。また、顔、顔…、もう、顔パス?気分になりそう…。

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2007年4月17日 (火)

仏さまの笑窪

 Img_0007_10 Img_0035_2 これぞ観音菩薩-と思う。ふっくらしていて、目を細めて、微笑んでいる。向かい合って、静かに見ていると、気持ちが不思議なほどゆったりしてくる。そんな柔和な仏さま達が今、信楽のMIHO MUSEUMに来ている。

学芸員の桑原康郎さんが「ほら、この仏さんの、ここを見てください」と言う。桑原さんが指さすところへ近づくと、何と顔の左頬に笑窪が出来ている。仏さまに笑窪とは、恐れ入る。桑原さんも「この優しさ、微笑み仏の極致ですね」と。この仏さんが、そっとウインクでもすれば、卒倒しそうである?。

展覧会は、MIHO開館10周年記念の「中国・山東省の仏像」である。山東省は孔子、孟子を生み、中国古代文明発祥の地で、黄河の下流域にある。展示中の仏像はおおよそ2500年前の72点。北魏時代には微笑む観音さんが多く、次の北斉時代になると、見目麗しい仏さんへ変わって行く。悠久の歴史を思う仏像観賞、心安らぐ。

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2007年4月16日 (月)

木も変、神社も…

 Img_0005_12 Img_0049_1 サボテンみたいな変な木である。根元から2㍍あたりで水平に幹分れしていて、鍬かフォークのように8本の幹?が真っすぐ伸びている。その妙な変な木は、秀吉が命名した満足稲荷神社の境内にある。満足?神社の名前もまた変わっている。

 東山三条上ルで、市バス仁王門停留所の真ん前。この変木は、樹齢400年のもちの木という。幹には厳かな注連縄が巻いてあり、この神社のご神木。常緑高木で、見上げると、10㍍以上はあって、東山通りからも見える。樹皮は象みたいにカサカサしているが、秋に赤い実が成って、変木が面目を保つという。

 昨日昼、変木の謂れを聞きに境内に入った。ろうそく百円、お賽銭50円で参拝して、社務所でこんにちは-と言うも答えなし。お守り売り場は、人手不足なのか、三毛猫が居眠り留守番中?。ひっそりした狭い境内を歩く。仕切りないのに満足ガレージ、お稲荷さんなのに馬の像、年代モノの能舞台…、みんな変で、こちらの喉元までエッヘン?。

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2007年4月15日 (日)

桜は風とともに

 Img_0016_13 Img_0018_4 花びらが風に舞う。やさしい風には蝶々のように一片ふた片、ゆっくりと…。ヒュッと吹く一陣の風には、吹雪く如く、激しく…である。13日昼、滋賀県庁近くの天孫神社で、散り行く桜に出会った。

 境内は一面、ピンク色に染まっている。これぞ花の絨毯、踏んでいいのかな-と思う。花びらは本殿にも舞い込んで、お賽銭箱にも入って行く。チャリンともしない。境内にある信楽の狸、徳利を持った顔が赤い。ウイッ、もう飲めない-と言っているようだ。狛犬の頭、桜色の帽子をかぶっている。

境内に佇み、風を待つ。サアッと風が来て、花びらが舞う。春の風情、その一瞬狙って、カメラで追いかける。すぐ風はやみ、花びらが落ちる。また風を待って、狭い境内を行きつ戻りつ…。桜の花は風とともに去りぬ-と感慨にふけり、芭蕉の一句を思い出す。「行く春を 天孫神社で 惜しみけり」???。

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2007年4月14日 (土)

長い、長い、長~い

 これは、また何と長~い。手造りふ菓子の「さくらの麩」と「はちみつ黒糖麩」である。ビニール袋入りで、長さは1㍍以上。ダンボール箱に差し込んで、売ってある。1本400円。ピンクの包み紙の「さくらの麩」は季節限定だという。

Img_0096_1 Img_0098_1 お寺の名前も、階段も長~い近江八幡・長命寺の参道登り口の、お土産屋さんにある。長命寺は西国33ヶ所、31番札所で、808段の階段と寿命長遠のご利益で知られている。お店の主人は「岐阜で仕入れて今年から売り出しましたが、お寺、麩、命…長さのご縁でしょうか、よく売れるんです」という。

持ち帰って、みんなでバリバリちぎって、麩~、麩~と食べて見た。小麦蛋白と小麦粉でふっくら焼き上げ、砂糖をまぶして、仕上げという。包み紙に「消化に良く、脳に良く、体に優しい自然食品」と書いてある。味の感想?みんな異口同音に「やっぱり麩は麩や」と。結局は薬局?、珍しきこと、面白く、所謂ロングロングアロウ?なり。

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2007年4月12日 (木)

紅白は一つ

Img_0003_11 Img_0004_13  今朝、思わず車を停めた。紅花と白花が一緒に咲いている。桜? そんな-と思いながら近づいて写真を撮った。木の根元をみたが、どうみても一本である。花びらはふわふわの八重だ。朝の優しい光りに紅い花と白い花が鮮やかに重なりあっている。

 場所は外環の山科東野あたり。安朱川の橋のそばである。近所の人か、犬と散歩の叔父さんに聞いた。珍しい花ですが-と。「いやあ、何ですかねえ。川筋にもう一本咲いていますが…」という。夕方、山科区役所へ行く用があって、相談係りで、また聞いた。「ベテラン職員が4月に転勤しまして…」と、はっきりしない。

 こうなったらーと府立植物園へ電話する。さすが、答え一発だった。「ああ、それは枝垂れ桃の一種で、源平桃でしょう」という。紅旗、白旗の源平合戦からだそうだ。「よく、近くで見て下さい。桜と違って、枝から直接、花を咲かせているはです」と見分け方も教えてもらった。撮った写真をアップで見ると、そのとおりだった。源平仲良く、心が晴れた。

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2007年4月11日 (水)

ダビデは雄雄しく

 Img_0005_11 Img_0023_7 見上げて、何でここに?と思う。ミケランジェロ制作のダビデ像である。高さは5.2㍍、重さは7㌧という。白亜の大理石像で、下から見て、まさに雄雄しく、いやご立派?。さすが紀元前10世紀にイスラエルを統一した王様と思う。

この像が滋賀県希望が丘文化公園の青年の城にある。昭和46年、次代の担う若者に希望を-と日本文化財団が滋賀県に寄贈した。黒崎公園長の話では、像があまりに大きく、建物の屋根が出来る前に運び込まれたという。像の基台部分に松下幸之助氏の「体験せよ体験は宝である」という揮毫が刻まれている。

ダビデ像はルネッサンス芸術の象徴で、人物彫刻の最高傑作という。説明板によると、日本文化財団の制作依頼を受けたミケランジェロの彫刻法を継承するイタリアの彫刻家が5年の歳月をかけて復像した。完成度はイタリア政府お墨付きという。そんな像が、はるばる海を渡って、今ここにである。今更ながらダビデの旅、どんな旅?と思う。

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2007年4月10日 (火)

盗む酒はまほろばの里

 Img_0005_10 Img_0017_6 お酒づくりのコーディネーターを杜氏という。酒造会社には杜氏は一人で、山形県高畠町の米鶴(ヨネツル)酒造株式会社の須貝智さん(51)=写真=は、常務取締役杜氏の肩書きを持つ。春の宵、京都出張の須貝杜氏を囲んで、お酒を楽しむ会があった。

 須貝さんが持ち込んだお酒がカウンターに並ぶ。「盗み吟醸 大吟」「純米吟醸 まほろば」「純米大吟醸 自然流」…、番号付きのプラスチックの猪口で順番に飲み比べる。「お酒は良い米、良い水、良い空気…、それと蔵人の心ですね」…、須貝さんの話に耳を傾け、次々に一献傾ける。話のせいか、重なるお酒か、だんだん身体も傾く。

米鶴は山形の地酒で、創業から300年という。杜氏の須貝さんもお酒が100種以上あって、味を覚えが大変とか。カウンターに出た「盗み吟醸」を聞く。酒蔵の門外不出の酒を盗んで飲んだ酒だと言う。「まほろば」は周りが山に囲まれた住みよい所の意味で、酒蔵のある山形県高畠町はそんな里と。さすがに杜氏、話もお酒も「盗み」に「まほろば」で、結構結構…。ウイッ…。

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2007年4月 9日 (月)

沖島のがばいばあちゃん達

 Img_0048_1 Img_0043_2 「これ、なんじゃろな?」「春撒きのキャベツじゃて」「そうかのう?」-聞くとはなしに耳に入った島のおばあちゃん二人の会話である=写真=。湖岸のコンクリート縁に座りこんで、野菜の種袋を覗き込んでいる。

 春うららの、琵琶湖の沖島。人口400人余り、世帯数150余り。淡水湖で集落のある島は日本ではここだけ、世界でもそうはないという。この間、桜観賞で琵琶湖汽船のモーターボートで島の西から上陸した。ソメイヨシノはまだ蕾だったが、おばあちゃんらが腰を屈めて、畑仕事の真っ最中だった。

 「今年の桜は遅いぞ」という。仕事中のおばあちゃん、愛想がいい。ほうかぶり、長靴、手袋、モンペ、手に鍬と鋤、一人一台の小型三輪車。これ、ばあちゃんたちの作業スタイル。ネギ、大根、キャベツ…一面の畑地に野菜いっぱいである。自給自足の島、沖島のばあちゃんは頑張る。佐賀のかばい(凄い)ばあちゃんに負けず劣らず、かばい。

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2007年4月 8日 (日)

植物園幽玄

 Img_0039_1 Img_0049 さすが名物園長さんである。植物園リニューアル作戦を次々に-だが、桜ライトアップも自ら自転車に乗り、ネット画面で見どころを紹介する。「これソメイヨシノですね。雲がたなびくように幻想的ですね」「画面は暗いですが、実際はしっとりとして、美しく咲いています」…、ネットから本人の声が聞こえて、臨場感がある。

 今夜、地下鉄乗り継いで、府立植物園へ行った。ネット画面の松谷茂園長が言うとおり、満開の桜が広がっていた。40基ものライトが照度を変え、角度を変えて桜林を照らしている。光りの当たり加減のせいか、桜の花びらが金色にも銀色にも見える。「ここ別世界や」「ボタン雪みたいや」…花見客も幽玄の世界を感じているようだ。

 桜林は植物園の北側、70種500本の桜の木があるという。開園から80年余、植物園は去年初めて、この桜林にライトをあてた。親しまれる植物園作戦の試みの一つとかで、去年は一週間で6万人集めたという。今年はどうかだが、帰りの北山門で職員に聞くと、最終日の今夜は2万人の大入りとか。桜の寝不足が心配だが、観客増員を策す植物園には春宵一刻値千金???。

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2007年4月 7日 (土)

一年一度の春うらら

 Img_0003_10 Img_0010_6 早く咲いた菜の花にようやく桜が追いついた。黄色の菜の花、ピンクの桜…、思わずホオッである。このコントラスト、見事というほかない。山科疎水の安朱橋あたりである。今日7日の昼下がり、小雨の中を行った。

 JR山科駅から地下道を北へ抜けて5分あまり。道筋の民家のソメイヨシノを眺めて、ジグザクと歩くと着く。菜の花は疎水の両側に200㍍は続く。満開のソメイヨシノは疎水をピンクに染めている。ボケも赤く咲いて、黄色、ピンク、赤と、花の競演、色のコラボレーションである。一年一度、今が瞬間の輝き。

 また北へ、5分歩くと、天台の毘沙門堂につく。樹齢100年の枝垂れサクラがもう満開に近い。高さ10㍍、枝張り30㍍。糸が幾本も垂れるように咲いている。左近の桜、山科区民誇りの木という。境内にはソメイヨシノ、本堂への斜面は山桜が咲く。春は桜、秋は紅葉…ここはまさに花の寺である。また戻って、山科疎水を東に西に。疎水沿いは桜また桜、今まさに春うららなり。

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2007年4月 6日 (金)

彫りあとに価値あり

 Img_0019_5 Img_0031_1 近づいて、よ~く見ると、団子鼻で、顔は丸るく、ぽっちゃりしている。右腕はお腹の前にあり、左腕は振り上げている。両腕とも何かを持っていたらしいが、なんだかわからないという。背丈、1㍍50㌢はあって、鎧つけて、左足を突き出し、かっこうはつけているが、まあ、愛くるしい像である。

比良山麓の天満神社に鎮座する木造天部形像で、いま、大津市歴史博物館で開催中の文化財展で展示されている。この像、関西では珍しい鉈彫(なたぼり)という。また、ぐっと寄って、よ~くみると、からだ全体に鑿の彫り跡がついている。それで、この像の価値は高く、今は大津市指定文化財だが、いずれ県指定から重文にもという。

 歴博の松浦俊和館長からそんな話聞いて、満足して引き揚げかけたが、天部形(てんぶぎょう)という像の名前が気になって、また聞きに行った。「形からすると、四天王のうち、広目天かと思うんですが…」という。要は不明なので、そういう○○天の形をした像として便宜的に名前をつけてあると。やはり、木の像は気にすることが大事かな…。

 

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2007年4月 5日 (木)

三段論法でとんぼ

Img_0016_11 Img_0020_6 湖岸に立って、トンボを見上げた。高さは50㍍、尾っぽがピンと反っている。広がった二つの羽は3㍍はありそうだ。このトンボ、滋賀県立琵琶湖文化館のシンボル。45年前の開館当初はクルクル回って、複眼から光を出して、湖上を照らしていた=写真=。

何で、琵琶湖文化館がトンボ?と前から思っていた。大津市打出浜の、この文化館まで出かけて聞いた。館の説明では▽昔々、日本は秋津島といった▽秋津(蜻蛉)はトンボの古名でもある▽滋賀県は日本(秋津島)の真ん中に位置しているから、その象徴としての、トンボという。これ、三段論法というテクニックだが、どうも、しんどいような。

 夜の飲み会で、そんな話を持ち出したら滋賀県OBが「そら、違うで…」と。あれはヤンマー創始者で滋賀県高月町出身の故山岡孫吉さんが、仰山、寄付したからや、と言う。全体の寄付額は1億円で、そのうちの、かなりが山岡さんだったらしい。だから、トンボは、オニヤンマ。それで、空から♪~僕の名前はヤン坊~♪と天気予報。 

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2007年4月 4日 (水)

黄門さんのラーメン

 Img_0011_16 Img_0048 この印籠が…ではない。このラーメンが…である。この間、東映太秦映画村の食堂「喜らく」で、天下の副将軍・徳川光圀公のラーメンを食べた。その名も医食同源・水戸藩ラーメンで、いわゆる黄門さんラーメン。醤油っぽい色をしていたが、汁も麺も具も悪くはない。黄門さん、なかなかの、ツーと思った。

 光圀公は300年前、ホンマに自分でラーメンをつくった。大日本史の編纂で中国・明から招いた儒学者朱舜水に指南を受けて、家臣にも食べさせたという。元禄10年(1697年)の文献に「うどんの如きもの」と表現があり、それに作り方が記述されていて、水戸の人が苦労して再現した。東映映画村では5年前から人気メニューだそうだ。

この中華麺、小麦粉と蓮根の澱粉を混ぜ合わせ。ヌメリがあって、喉ごしが良い。シナ竹、焼き豚、しいたけ、チンゲン菜が入っている。これに五臓に気を発す-という生姜、にんにく、ネギ、ニラ、らっきょの、5辛が添えてある。そんな高貴なラーメンが、恐れ多くも780円。頭が高~い、と言われそうだ。ハハアッ~である。

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2007年4月 3日 (火)

砂で合格サポート

 Img_0004_12 Img_0007_9 すべり止めの砂で、受験生の合格を「砂ポート」という。京阪電車が3年前から大津の石坂線で始めた受験グッズで、なかなかの人気だそうだ。いま、浜大津駅のホームに、グッズの返却ボックスが置いてあって、二日前、グズグズせずに一気にボックスに手を突っ込み、取り出して写真を撮った。

返却グッズは3個入っていた。チャックつきの50㌢くらいのビニール袋で、砂でサポートと洒落て「勝利を砂ポート 合格祈願 京阪電車」と書いてある。ビニール袋には細かい砂が詰っている。車輪がすべる時とか、急勾配を登る時の砂だという。すべり止め効果のほどは実証ずみとか。

無料提供のグッズ、何で返却?と思ったら貼り紙があった。「合格おめでとうございます」「あなたのパワーを来年に引継ぎます」「喜びのメッセージを書き添えて下さい」と。誰が考えるのか、フォローアップも心憎い。返却率、メッセージの内容、高校、大学?何処へ合格など、砂の結果を素直に聞きたいと思う。

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2007年4月 2日 (月)

職人の味、ああ、もったいない

 Img_0009_7 Img_0010_5 ピンク、白、緑…色合いが美しい。花見団子で、今が見ごろで食べごろ。串の一番上はピンク、そして、白に緑で、どの団子も、モチモチ、艶々している。見て楽しみ、食べてウマウマ…。「花より団子」というよりも、今は「桜よし団子よし」。

 この間、滋賀県庁前の通りを東へ歩いて、花見団子が目についた。「小山養老軒」で、鄙びた古風なお店である。ガラスケースに草餅、桜餅、茶団子、花見団子…と並んでいる。1個100円の花見団子を買って、主人と話し込んだ。この団子、いい色ですねえ?「おおきに。餅米でして…、着色ですけど…。味はあっさりです」という。

 この主人、中学出て、京都の四条大宮で、丁稚奉公してからの饅頭人生だという。2代目で、お店はもう80年という。「一個一個丸めて、つくっています。一日80個くらいです」と。まさに手作りの味。もっと宣伝したら?と言うと「息子が公務員、私の代で終わりですから」と、欲がない。職人の、この団子味、それこそ、もったいない。

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2007年4月 1日 (日)

花も三者三様

 Img_0007_8 Img_0046 <木蓮>(もくれん) 色はピンクで、内側は白い。花びらは大きい。 

<白木蓮>(はくもくれん) 白くて清楚。花びらも幅が大きく、全開しない。

 <辛夷>(こぶし) 白い花で、全開する。つぼみは子どものこぶしのよう。

 どれも、今頃に咲く。みんなモクレン科だが、見分け方がややこしい。木蓮と白木蓮は、花の色が違う。辛夷と白木蓮は、花びら大きさと開き方が違う。三者三様で、どこかチャウチャウ~バンビー。この間、京都御苑の芝生で、真っ白な花木=写真左=を見つけたが、辛夷かな、白木蓮かな-と思うが、わからなかった。

 御苑の休憩所近くにも似た花=同右=。これは、紫っぽい色なので、木蓮と思ったが、でも花びらの内側は白でない。??? 何かなと思い、戻って、撮った写真をじっくり見て、花図鑑も見て、ネットで出して、また見て…。それでも???…である。♪こぶし咲く~春なのに~、名前は~わからない♪…。花言葉?、辛夷は信頼で、木蓮は持続性。何か、わかったような、わからないような。

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